〔特集〕名門避暑地の「今」を楽しむ 美食とアートに集う 軽井沢 標高1000メートルの爽やかな空気のもと、喧騒から離れて静かに自然と親しむひとときは、軽井沢ならではの贅沢な時間。その一方で、リラックスしながらさまざまなジャンルの上質なエンターテインメントを楽しめるのも、名門避暑地らしい魅力です。音楽、スポーツ、ファッション、そしてアートと食……カルチャーを軸に豊かな交流が生まれ、世代や職業を超えて繫がる。軽井沢がもたらす心豊かな「夏」へとご案内します。
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軽井沢の芸術文化を育む場所へ
軽井沢は、アートや音楽が身近にある街 ── 。昔から愛される美術館や音楽会の場から、新しく誕生したギャラリー、さらにこの夏楽しめるイベントをご案内します。
大賀典雄さん、緑さんの想いとともに、開館20周年を迎えた「軽井沢大賀ホール」(軽井沢町)
大賀 緑さん(おおが・みどり)1930年東京都生まれ。ソニー元名誉会長大賀典雄夫人。ピアニスト。軽井沢大賀ホールCLASSICS実行委員会実行委員長。「主人はいつも、私のひと言が大賀ホール寄贈のきっかけと話していたのですが、そんな大げさなことじゃないのですよ」と微笑む緑さん。
「主人のこだわりが詰まったホール。皆様に音響がいいとお褒めいただけるのが嬉しいのです」── 大賀 緑さん
自然豊かな矢ケ崎公園内にある軽井沢大賀ホール。ソニー元名誉会長の大賀典雄氏が退職金で建設し軽井沢町に寄付した、音へのこだわり溢れるコンサートホールです。
約4万5000平方メートルの広さを有する矢ケ崎公園に位置し、豊かな自然に囲まれた軽井沢大賀ホール。2025年に20周年を迎え、今や軽井沢を代表する音楽文化発信の拠点に。
寄贈のきっかけは、大賀典雄氏の夫人でピアニスト・緑さんとのこんな会話でした。
「退職金をいただいたとき、主人は世の中のためになることに使いたいといいました。なら、軽井沢に音楽堂を建ててはどうかと提案したんです。軽井沢にはそれまでコンサートなどを開ける場所がなく、皆さん教会やホテルでしか音楽に触れることができなかった。軽井沢という、文化的で、かつ国内外を問わず多くの方に愛されている土地には、きちんと演奏家を呼べるホールが必要だと思ったんです」
理想の音響を求めて五角形にしたというホール。木の温もりを感じる内装は長野県産のカラマツを多用。ステージ上のピアノは緑さんが2023年に寄贈した「ハンブルグ・スタインウェイD.274」。
音楽ホールを建てることは、軽井沢町民の長年の夢でもありました。緑さんは「主人と歩いていると、よく駅で地元の方たちにお礼をいわれましたね」と当時を振り返ります。
軽井沢大賀ホールの前で笑顔を見せる故・大賀典雄さん(左)と緑さん。ホールの候補地は3か所あったが、典雄さんは、矢ケ崎池、離山と浅間山と緑に囲まれたこの場所に一目で決めたという。©E.Miyoshi
この地を訪れる、またこの地に住まう人たちの音楽の聖地として長く愛され、軽井沢大賀ホールは2025年で開館20周年。開館当初より東京フィルハーモニー交響楽団と事業提携を結びながら、今年は周年を記念した特別リサイタルなども予定されています。
「軽井沢は音楽的素養に優れた方たちが多く集まる場所。演奏会を通して、さらに音楽を深く理解し、好きになる方が増えてくださると嬉しいです」
軽井沢大賀ホール住所:長野県北佐久郡軽井沢町軽井沢東28-4
TEL:0267(42)0055