〔特集〕名門避暑地の「今」を楽しむ 美食とアートに集う 軽井沢 標高1000メートルの爽やかな空気のもと、喧騒から離れて静かに自然と親しむひとときは、軽井沢ならではの贅沢な時間。その一方で、リラックスしながらさまざまなジャンルの上質なエンターテインメントを楽しめるのも、名門避暑地らしい魅力です。音楽、スポーツ、ファッション、そしてアートと食……カルチャーを軸に豊かな交流が生まれ、世代や職業を超えて繫がる。軽井沢がもたらす心豊かな「夏」へとご案内します。
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軽井沢の芸術文化を育む場所へ
軽井沢は、アートや音楽が身近にある街 ──。昔から愛される美術館や音楽会の場から、新しく誕生したギャラリー、さらにこの夏楽しめるイベントをご案内します。
藤田嗣治の作品のみを収蔵展示する日本唯一の場所
軽井沢安東美術館(軽井沢町)
2022年に開館した、世界でも類を見ない藤田嗣治の作品のみを展示する軽井沢安東美術館。オーナーの安東泰志さん、恵さんご夫妻の想いが詰まった、安東邸ともいえる空間には、随所に訪れる人への気遣いとサプライズがあります。
赤い壁が印象的なメインの展示室は、コンセプトである「自宅のような美術館」が最も体現された部屋。ここには藤田嗣治が描いた「猫」や「少女」の絵がずらりと飾られている。
作品を眺めながらゆっくりと座れるソファやベンチ、浅間山を望む大きな窓、また館内の至る所に美術館のロゴが隠れているそうです。
藤田だからこそ描き出すことができる緻密な線と猫の可愛らしい仕草。たくさんの絵の中から、お気に入りの猫に出会う楽しみも。©Fondation Foujita/ADAGP,Paris & JASPAR,Tokyo,2025
藤田嗣治は1959年キリスト教へ改宗し、洗礼名レオナール・フジタへ。フジタが描いた宗教画が飾られた展示室。教会を思わせる空間には軽井沢彫のベンチが。
世界で一点しかないアートケースのスタインウェイのピアノが置かれた「サロン ル ダミエ」は、この夏、軽井沢大賀ホールとともに軽井沢国際音楽祭の開催場所にも。
演奏会も行われる「サロン ル ダミエ」。ピアノは1899年製の「スタインウェイ Model A アートケース」。
ラヴェル生誕150周年でもある今年は、「フランス新時代の純音楽」がテーマのミュージアムコンサートが予定されています。
開放感溢れる廊下。2階奥にステンドグラスも。
アートに触れながら、音楽を楽しむ ──、避暑地文化の発祥地、軽井沢の過ごし方がここにはあります。
軽井沢安東美術館住所:長野県北佐久郡軽井沢町軽井沢東43-10
TEL:0267(42)1230
開館時間:10時~17時(入館は閉館30分前まで)
休館日:水曜(祝日の場合は翌平日休館、2025年7月17日〈木〉~9月2日〈火〉は無休)
2025年9月28日(日)まで、『藤田嗣治 猫のいる風景 -かたわらの動物たち-』と、終戦80周年記念特別企画『藤田嗣治 戦争と芸術のはざまで -戦場、銃後の風景、日常を描く-』を開催。
(次回に続く。
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