〔特集〕大阪・関西万博で世界が注目! 活気づくOSAKAへ。─世界に誇れる大阪の魅力─ いよいよ「大阪・関西万博」が開幕。世界が注目する大イベントを前に、大型ホテルの建造ラッシュ、美術館の新設や大規模リニューアル、“大阪最後の一等地”うめきたエリアの「グラングリーン大阪」の進展など、大阪の街は大変貌を遂げています。活気づくOSAKAで世界に誇れる文化の魅力を探訪します。
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芸術都市に大変貌。大阪のアート新名所を巡る

【こども本の森 中之島】巨大な青りんごは、安藤さんのアート作品。「未熟で酸っぱくとも、明日への希望に満ち溢れた青りんご」を青春の象徴に見立てた。青春とは人生のある時期をいうのではなく、心の有り様をいう。
大阪を拠点として世界に発信を続ける建築家・安藤忠雄さんと現代美術家のヤノベケンジさん。その着想や創造は、常に大阪に根差したものがあるといいます。
芸術文化施設が集積し、アートアイランドの様相を呈する中之島を核に、芸術都市へと変貌する大阪のアートの新潮流を探ります。
安藤忠雄さんが寄贈。大阪発の“民活文化”を世界へ「こども本の森 中之島」(中之島)
大阪生まれ、大阪育ちの世界的建築家・安藤忠雄さんが、自ら設計した「こども本の森 中之島」を個人として大阪市に寄贈したのは、2020年のこと。
「こども本の森」寄贈の着想は、米国の鉄鋼王カーネギーが、2500軒もの図書館に寄付をしたことにも触発されてのもの。内部は3層の吹き抜け。
「大阪には、元々、街づくりに市民が参加する伝統がある。八百八橋といわれる橋や、ここ中之島では中央公会堂、中之島図書館、東洋陶磁美術館なども民間の寄贈によるもの。私も何か残したいと思ったのがきっかけ」と安藤さん。
誇り高い市民の公共精神が息づく寄贈文化が、大阪の街づくりの基盤──安藤忠雄(建築家)

映像を映し出す筒状の空間。
大阪から世界に羽ばたく子どもが育ってほしいとの願いを込めて始めた「こども本の森」ですが、その計画は、瞬く間に、神戸、熊本、松山へと波及し、今ではバングラデシュやネパール、台湾、韓国など海外にも展開。大阪に根づく、社会に富を還元する文化が、猛スピードで世界中に広がっています。
「社会が、今日まで私を建築家として生かしてくれた。その恩を未来に返さねばと思ったのです。お金を持って死ねませんから(笑)。気持ちが続く限りは、まだまだ行くところまで行きますよ」
敷地に合わせて平面は弧を描く。「世界的建築家安藤忠雄御大の肝いり施設」(河瀨直美・映画作家)。「子どもの頃読んだ小説との再会も嬉しい夢のある施設」(土橋育子・ライター)。
「青春とは目標を持って歩む意思のこと」と語る“世界の安藤忠雄”は、83歳の今も、自らの青春を全力疾走で駆け抜けています。
こども本の森 中之島住所:大阪市北区中之島1-1-28
電話:06(6204)0808
開場時間:9時30分~17時
休園日:月曜(祝日の場合は翌平日)
*入館方法はHP参照。
kodomohonnomori.osaka「安藤忠雄展|青春」開催中安藤さんが長年尽力してきた、「グラングリーン大阪」の文化装置「VS.(ヴイエス)」にて安藤建築の真髄を体感できる大型展覧会が7月21日まで開催。
住所:大阪市北区大深町6-86 グラングリーン大阪 うめきた公園 ノースパークVS.
https://vsvs.jp/(次回へ続く。
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