
“人間”という、最も身近でありながら奥深いテーマに挑んだ「ブシュロン」。多様な個性と創造性をハイジュエリーで表現したコレクションは、宝石の美しさを超え、人の手が生み出す力の尊さを改めて感じさせます。
毎年7月に発表する「カルト ブランシュ」は、クリエイティブディレクター、クレール・ショワンヌが自由な発想で挑むハイジュエリーコレクション。今年のテーマは「HUMAN BEING(人間)」への賛歌です。
登場するのは、5つのネックレスとリングのセットのみ。同じフォルムをベースにしながら、素材も色彩も技巧も異なり、それぞれが唯一無二の表情を見せます。発表会では、それらを纏った性別も人種も異なる5人のモデルが登場。同じデザインが、個性によってまったく違う輝きを放っていました。
共通する点も違いも、どちらも尊い。そして何より、人の創造性と職人たちの手仕事こそ未来へ引き継ぐべき宝――そんな想いが、コレクションには込められています。
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「光」をテーマにしたネックレス。大小さまざまなモルガナイトをリズミカルに配し、石と石の間を光が自由に行き交うような軽やかさを生み出しています。1500ctを超える色調の揃ったモルガナイトを集めることから始まり、振動に弱い石のために新たなセッティング技法を考案してセンターのダイヤモンドをモルガナイトの上に直接セッティングするなど、卓越したサヴォアフェールを結集。約3750時間もの制作時間を経て、温かみある柔らかな光が体に浮かび上がるようなネックレスが誕生しました。

ヴィクトリア朝時代のタトゥー芸術に着想を得た作品。ポピーやバラ、セミ、蝶、鳥、蛇など、ブシュロンを象徴する動植物のモチーフをスモーキークォーツの裏面に刻み込み、肌に描かれたタトゥーのような繊細で優美な表情を生み出しました。立体感を表現する古来の宝石の彫刻技法「グリプティック」を駆使し、彫り込み(インタリオ)を施して光を透過させることで繊細な陰影を演出。約3740時間を費やした、200点を超える特注工具と卓越した宝石彫刻の技が、この幻想的な世界を支えています。

クリエイティブスタジオが手がけた壁紙から着想を得た作品。艶を抑えたピンククォーツの上に、つぼみから満開までの花々を左右対称に描き、石そのものから花が咲き誇るような幻想的な世界を表現しています。卓越した技を誇る細密画家が拡大鏡を用いて一点ずつ彩色し、光と影のコントラストによって奥行きと立体感を創出。ストーンを支えるセッティングを極力目立たせず、繊細な仕上げを施すことで軽やかな印象に。約3290時間に及ぶ絵画とジュエリーが美しく融合した作品です。

降り注ぐ雨粒を、詩情豊かに表現。透明感溢れるロッククリスタルを中が空洞の雫形に加工して植物由来のレジンを幾層にも重ねて流し込み、内部に4800石を超えるダイヤモンドを一石ずつ手作業で立体的に配置。雨粒が流れ落ちるような自然な動きを生むため、石の配置や可動する台座まで綿密に設計しています。ホワイトゴールドの構造部分にもダイヤモンドをあしらい、まるで光だけが肌を漂うような透明感を実現しました。約1550時間をかけた、サヴォアフェールが息づく一作です。
お問い合わせ/ブシュロン クライアントサービス
フリーダイヤル:0120-230-441
URL:https://www.boucheron.com/ja_jp/
この記事の掲載号
撮影/Fumito Shibasaki〈Donna〉 取材・文/大島 泉