
伝統素材を使い、デザインと機能性の両面から長くまとえる洋服を生み出すブランド「藍木野」。今回は日本を代表する織物「久留米絣」と染色「松煙染」の魅力、そして、この夏を心地よく演出するワンピース3点をご紹介します。

重要無形文化財の一つ「久留米絣」。染め分けた糸を縦横に織り合わせ、精緻な模様を描くその技法はおよそ200年前、一人の少女によって考案されました。図案の制作から括(くく)り、染色と30以上もの工程を経て、一枚の反物を織り上げるまでにかかる期間はおよそ3か月。すべての作業に、高度な職人技を必要とします。 


日本の織物の伝統を、現代のライフスタイルに適した形で後世に残したい。そんな思いから生まれた「藍木野」は、久留米絣を使った洋服を手がけています。わずかな輪郭のずれによって生じる絣特有の柄の美しさ、そして着るほどに愛着が増す素朴な風合い──。一度袖を通せば、今なお多くの人を惹きつける久留米絣の魅力を全身で感じられます。
江戸より続く「竺仙」の、松の煤(すす)を染料とした松煙染の布もワンピースに。職人の高齢化や織元の廃業が進み、量産品ばかりが出回る昨今。藍木野の服は、手仕事に宿る本物の美しさを、現代に伝えています。
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江戸小紋の老舗「竺仙」の浴衣地を、普段着としても着られるワンピースに。伝統的な染め方の一つ「引き染め」による松煙染に手差しで彩色を加え、美しく可憐ななでしこや、オリエンタルな風情漂う大ぶりの楓を描きました。透け感のある綿100パーセントの生地は風通しもよく、軽やかな着心地。Aラインのシルエットが歩くたび、程よく優雅に広がります。
●お問い合わせ
藍木野
電話 03(3534)9445
URL:https://www.kobo-akino.com/
撮影/鍋島徳恭