3.温 又柔さん 台湾語混じりの中国語を話す両親のもとで育った温さんは“自分にとっての普通が、一歩、外に出ると普通じゃないことは、子どもの頃から気づいていました。その普通や当たり前って誰が決めたものなの?という気持ちはずっとあったけれど、ひとりで抗うのは難しかったし、小さい頃はそういう状況にもそこそこ馴染んでいたんです。でも、成長するにつれて、自分を抑えてまで外の普通に馴染もうとしていることを呑み込めなくなっていって。その頃から、小説を読むことや書くことで、自分が自分のままでいられる場所を探すようになりま