1.白石一文さん 「世の中にこんな楽しいことがあったんだって、本当にうゎーって感じでしたね。そこからは学校にもほとんど行かず、小説一本やりでした」。大学1年の終わりに初めて小説を書いたときの感興を、そう表現する白石一文さん。 海洋時代小説の第一人者で父親の白石一郎氏と、史上初、親子2代の直木賞を受賞したように、作家のDNAを受け継ぐ――そんな白石さんは、小学生のときから父上の小説を読み始め、中学生になると、作品の感想を口にするようになっていたそうで、“それが自分たち親子の語らいの時間でした”と、当時を振