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苦手なタイプの人とのつきあいがストレス。生きにくさを解消する「切り替え」を学ぶ

2021.02.12

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精神科医の禅僧が贈る「幸せ力を高めるマインドフルネス」第2回 誰にでもある苦手意識や思い込み。川野泰周さんによれば、原因は、事実と感情が一緒になって記憶されていることだそうです。マインドフルネスの練習で自分の体と心を丁寧に観察し、“切り替える力”を学びましょう。身につけば、失敗や嫌な思いをいつまでも引きずってしまう日常からの脱却にも役立ちます。前回の記事はこちら>>

苦手意識は心のクセから生じる。
気づきと“切り替える力”で、思い込みは変えられます


こんなあなたへ
●苦手なタイプの人とのつきあいがストレスだ。
●「何でもできる子」の呪縛がなかなか解けない。
●過去の失敗や嫌な経験をいつまでも引きずってしまう。


川野泰周

川野泰周(かわの・たいしゅう)さん

臨済宗建長寺派林香寺住職、精神科・心療内科医、RESM新横浜睡眠・呼吸メディカルケアクリニック副院長。1980年生まれ。慶應義塾大学医学部医学科卒業。精神科医療に従事した後、3年半の禅修行を経て2014年より実家の横浜・林香寺の住職となる。寺務と精神科診療の傍ら、講演活動などを通してマインドフルネスの普及と発展に力を注いでいる。著書に『人生がうまくいく人の自己肯定感』(三笠書房)ほか。公式ウェブサイトhttps://thkawano.website/
「寺子屋ブッダ」https://www.tera-buddha.net/

私たちは、過去の出来事を引きずって生きている


オコジョ
写真/アフロ


年上の女性とうまく話せない、高齢の男性は頑固だ、など苦手意識や思い込みは多かれ少なかれ誰にでもあります。なぜこのようなことが生じるのでしょうか。

仏教用語の「六根(ろっこん)」は五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)に意識(思考や感情)を合わせた6つの知覚をさします。

私たちは六根を通して世界を認識していますが、五感を介した外からの情報と、内側から生じる意識とが一緒に認識されるため、“思い込み”というとらえ方のクセが生じます。それが否定的な思考や感情と結びついて記憶されると苦手意識となり、いわば“ネガティブ眼鏡”をかけた状態になります。

威圧的な父親に育てられた男性が年上の男性に対して反抗的だったり逆に委縮したりする「未解決のエディプス葛藤(フロイトが提示した精神分析の概念)」もその一種です。

また、人間の脳にある海馬(かいば)(記憶を司る部位)は超高性能であるため、昔の体験が何十年も記憶され一挙手一投足に影響を及ぼすことがあります。

私たちは多少なりとも過去の出来事を引きずって生きているわけですが、苦手意識や思い込みが強すぎると人間関係の妨げとなり、生きにくさにつながる恐れがあります。
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