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50代がターニングポイント。足寿命を延ばすケアで“100歳まで歩ける足”に

2021.01.22

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「足寿命」を延ばして100歳まで歩く 第1回(全8回) よく歩く人は、いつまでも健康で長生きする──。さまざまな研究により歩行と健康寿命の関係が明らかになってきました。一方で、50代から足のトラブルに悩まされる人も増えてきます。実は足の寿命は50〜60年で尽きるといわれており、今まさに足の健康はターニングポイントを迎えているのです。足寿命を延ばすケアで“100歳まで歩ける足”になりましょう。

10年後に後悔しないために、今から取り組むフットケア


羽田さん
ジャケット6万2000円、スカート10万9000円/ともにファビアナフィリッピ(アオイ) 靴8万円/ジミー チュウ イヤリング22万8000円、ネックレス23万7000円、リング31万4000円/すべてニナ リッチ(エスジェイ ジュエリー)

コロナ禍で50代女性の“プレ老人化”が始まっている


今、日本では40〜60代の人たちの歩行数が急速に減っているそうです。コロナ禍において足の衰えを自覚している人も多いのでは……。女優の羽田美智子さんが読者を代表し、日本唯一の「足の総合病院」をつくった久道勝也先生に“足の気になる健康”について伺います。


羽田美智子さん
女優
羽田美智子さん

ドラマ、映画など多数の作品に出演。2020年10月に刊行したエッセイ『羽田さんに聞いてみた、小さな幸せの見つけ方』が話題に。オンラインショップ「羽田甚商店」の店主。

久道勝也先生
下北沢病院 理事長
久道勝也先生

ロート製薬最高医学責任者。獨協医科大学卒業。米国留学中にポダイアトリー(足病医学)に注目し研鑽。2016年にアジア初の足専門総合病院「下北沢病院」を設立。

「足寿命」は50~60年で尽きる。今が足のメンテナンスどき


羽田さん(以下、敬称略) コロナ禍以降、不要不急の外出を控えていたら、ずいぶん歩かなくなりました。そうなると歩くのも億劫で……。

久道先生(以下、敬称略) そういうかたが増えていますよね。コロナ禍における歩行数の変化は、すでに世界的な調査が行われていて、どの国も歩行数は減少しています。ただ、日本の特徴としては40〜60代の歩行数がガクンと減っているのです。

羽田 高齢者の世代よりも?

久道 ええ。70代以降の歩行数の減り方はそれほどでもないのです。コロナ禍によって歩かなくなったことで中年世代の“プレ老人化”が始まっていることを心配しています。

羽田 プレ老人化だなんて……。同世代としては恐ろしい響きです。

久道 歩かなくなるのは歩行能力に影響するだけではありません。精神的にもダメージを与え、抑うつや不眠を引き起こします。ロックダウンを強行した欧州の薬局では抗うつ薬や睡眠薬の売り上げが伸びているそうですよ。

歩かなくなると老化が加速し
健康寿命に悪影響を及ぼす


羽田 それ、よくわかります。私も歩けないことがこんなにストレスになるとは思わなかったです。ほかにはどんなダメージがありますか。

久道 これも今実感されているかたが多いと思いますが、筋力や体力が低下します。また、歩くことは血液循環をよくする効果があるので、それがなくなれば循環器の働きにも影響します。その他もろもろあり、端的にいえば全身の老化のスピードが加速していくのです。行動制限がかかった状況がしばらく続く中、歩かない生活に慣れてしまうと中年世代が高齢者になったとき、生活の質はかなり落ちてしまうかもしれません。

羽田 知り合いに70代のご夫婦がいて奥さまがこうおっしゃるのです。「私も主人も歩かない生活を続けてしまったから、70代になって何回も骨折をするなどひどい目に遭っている。こんな生活が待っているなんて誰も教えてくれなかった。だから、あなたには忠告するけれど、今からしっかり歩きなさい」と。50代から始めても間に合いますか。

久道 十分に間に合います。ただし、その前に〝歩ける足〞にしておくことが肝心です。というのも足にも〝健康寿命〞があるからです。

羽田 えっ、足の健康寿命?

「足の寿命はケア次第。50代の今からでも、十分に間に合います」(久道先生)

久道 生物学的にヒトの足が健康な状態を維持できるのは50〜60年と考えられています。これ以降は足の老化のせいでトラブルが起こりやすくなり、そのことが原因で歩きたくても歩けなくなります。

羽田 まさに50代は足の健康のターニングポイントなのですね。ひょっとしてもう手遅れですか。

久道 そんなことはありません。今からでもフットケアに取り組めば足の健康寿命は延ばせますよ。

羽田 何から始めればよいでしょう。

久道 足の健康寿命を延ばすためには“未病”といわれる段階で異常に気づき、適切に対処することが求められます。当院では、痛みが出る前に足の健康状態をチェックできるよう“足の見えるか検診”(下コラム参照)に取り組んでいます。



痛みが出る前に足のリスクに気づく
下北沢病院─「足の見えるか検診」


下北沢病院

右・足底圧検査と歩行解析を同時に行い、足にかかる圧力分布、歩行姿勢、バランスなどを測定する。左・足指の筋力検査。理学療法士が足の運動機能(関節可動域・筋力)を、複数の方法で直接測定する。

「足」の総合病院である下北沢病院は、全国にも例を見ない「足の見えるか検診」を実施。

水虫など皮膚の状態をはじめ、爪、足指のトラブル、足の変形、アーチの状態、脚の可動域、筋力、骨密度、動脈硬化・静脈の状態まで下肢全般の健康度を徹底してチェックする。

検診後は必要に応じて治療を行い、お手入れ法も指導。また、歩き方、足底圧などを調べ、インソールや靴の選び方もアドバイスする。

「加齢とともに足の状態は変化します。体の健診同様、年1回の受診をおすすめします」(久道先生)。

下北沢病院

下北沢病院
住所:東京都世田谷区北沢2-8-16
TEL:03(3460)0300
URL:http://shimokitazawa-hp.or.jp
足の見えるか検診 5万円(自費診療、現金支払い)

『“歩く力”を落とさない!新しい「足」のトリセツ』


『“歩く力”を落とさない!新しい「足」のトリセツ』

2020年12月に『“歩く力”を落とさない!新しい「足」のトリセツ』(日経BP)を刊行。下北沢病院の足の専門医たちが総力戦で、“いつまでも歩ける足づくり”の極意を伝授する。



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