――舞台では、観客の驚きや笑いをその場で感じることができますね。「そうですね。お客さまと同じ空間でお芝居をするというのは、演じ手としてはいちばん醍醐味を感じる部分だと思います。特に今回目指しているのは、サプライズの連続になるようなエンターテインメント。やったことのない領域に皆でトライしているので、時間との闘いではあるんですが、だからこそスタッフさんは爆発するようなエネルギーで取り組んでいますし、僕ら出演者もワクワク、ドキドキしています」
――共演陣は、歌人・蝉丸役の山本耕史さん、謎の男・芦野道隆役の田口トモロヲさんなど、頼もしい顔ぶれ。晴明の盟友・藤原兼家役を、タイプが異なる古川雄大さんと村井良大さんがＷキャストで演じる点にも惹かれます。「古川くんとは、ミュージカル『ファントム』(2010年)でも共演しているんです。こうしてまた共演できるのは嬉しいですね。デビューした頃に共演した若い人が、10年ぶりぐらいに現場で一緒になったときに立派な俳優さんになっていたりすると、楽しくなります。村井くんや、トモロヲさんと舞台でご一緒できることもすごく嬉しいですし、山本耕史くんは経験値を含めて、極めて能力が高い人。大好きな人たちばかりなので楽しみです」
――晴明は印を結んで呪文を唱えます。ご自身は言葉の力をどう捉えていますか？「言霊という言葉もあるように、言葉はものすごいエネルギーをはらんでいると思います。身近なことで言えば、ネガティブなことばかり口にしていると気持ちも沈んでくるし、周りもいい気はしませんよね。かといって、いつもいいことばかり言っているのも、ちょっとどうかと思う。言葉は扱い方が難しい。今回の舞台でもそこが大事なポイントで、僕としては言霊をどう捉えて発するかがいちばん難しいところだなと感じています」
2018年に渡辺 謙さんとともにミュージカル『The King and I(王様と私)』の英国ウエストエンド公演に出演。翌夏の来日公演にも出演した。舞台出演はそれ以来となる。 
