映画『水上のフライト』で陽気なカヌーのコーチ役に挑戦した小澤征悦さん

カヌー教室の子供たちのシーンが印象に残っているという小澤さん。「すごく自然で、観るとホッとするというか。優しいんですよね」

カヌーを通して描く、家族の愛、友情、仲間……

「自分に反映させて観られるところがあると思う」と本作について話す小澤さんは、中学・高校・大学とバスケットボールに打ち込み、体育会系の先輩・後輩がはっきりしている縦割りの世界で育ったそう。本作が描く宮本と子供たちとの関係性とは違っていて、映画のような「優しさに包まれている空間に、自分が子供のときにいたらどうだったんだろうなと思いながらは観ましたね」。でも、自身が育った厳しい世界も「実は役者をやる上で、すごく役立っていたりするので、それはそれですごくよかったなと思っているんです」。

「今回の、人生の中でつまずいて失敗してしまったとしても、それを負としてとらえないで、前向きに挑戦していこうと頑張る、再生していこうとする物語は、不変的なものだと思います。この作品は、家族の愛だったり、生徒と先生の友情みたいなものだったり、仲間を助ける大切さだったり、そういうつながることの大切さみたいなものがカヌーを通じてちりばめられていると思っていて。今は（コロナ禍で）、こんな時代になってしまっていますけれども、人って人とつながることによって、持っている以上の力が出せたりするんですよね。それってすごく大切だと僕は思うので、この映画を観て、そういうものをもう一度発見してもらえたらいいなという気持ちです」