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なんとなく気分がはれない、鬱々とした心を回復させるには「腸」に注目を!

2021.01.15

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365日美と健康のお悩み相談室 毎日更新の美容&健康のコラム連載。今知りたい気になる話題から、すぐに試せるテクニックなど、美容と健康のプロが皆さんのお悩みに答えます。記事一覧ゲストの回答
365日美と健康のお悩み相談室

【お悩み】冬場は特に気分がはれず、よく眠れません


毎年、寒い季節になると気分が落ち込んだり、不眠気味になります。何か良い解消法はありますか?

【回答】腸内細菌を元気にして不眠症、うつ病を予防しましょう


寒さで家にこもりがちになったり、天気の悪い日が続くと、なんとなく気分がはれなかったり、眠れなかったり……ということがありますよね。季節の変化が原因となる「冬季うつ病(季節性うつ病)」という症状もあるようです。


そんな鬱々とした心を回復させるために注目したいのが“腸”。

腸内細菌や免疫などを研究する医学博士の藤田紘一郎先生の著書『腸で変わる!病気にならない、50代からの生活習慣』によると、腸が体の健康だけではなく心の健康のカギも司っていることがわかっているのだそうです。

心のバランスを整える2つの脳内伝達物質

「年々深刻化しているうつ病。日本ではその患者数が増え続け、毎年3万人前後の人が自ら命を絶つ中、約半数がうつ病によるといわれています。うつの原因の一つは、脳内の“幸せ物質”とも呼ばれている神経伝達物質“セロトニン”が不足することで引き起こされるとわかってきました。

精神面に大きな影響を与える物質で心のバランスを整える作用を持つセロトニンと、“快”の感情を作り運動調整や学習にも大きく関わる脳内伝達物質であるドーパミンは、どちらもバランスよく分泌されることが心の安定につながります。そして実はこの2つの脳内伝達物質は、腸内細菌とも深い関わりがあるのです」(藤田先生)

腸内細菌が“幸せ物質”分泌のカギを握る

「セロトニンやドーパミンの栄養源となるのは、トリプトファンというアミノ酸の一種です。これらが含まれるのが肉や魚、大豆、乳製品などのタンパク質の豊富な食べ物です。ですが、ただタンパク質だけを摂取していれば作られるわけではなく、腸内細菌によって生成されるビタミンがなければ合成できないのです。

つまり、腸内細菌は消化機能だけではなく、免疫を活性化したり、腸内細菌が“幸せ物質”分泌のカギを握ってるのです。さらに、合成されたセロトニンやドーパミンの前駆体を脳に送る働きかけもおこなっています」(藤田先生)

気分がはれなかったり、うつのような症状がみられるときは、ぜひ、腸内環境を整えること、食事のリズムを整えることにも目を向けてみてください。

藤田先生の著書『腸で変わる!病気にならない、50代からの生活習慣』には、腸を整えるさまざまな方法が記されているので、こちらも参考になさってください。

藤田紘一郎/Koichiro Fujita

東京医科歯科大学名誉教授。感染免疫学者。医学博士。1939年旧満州生まれ、三重県育ち。東京医科歯科大学医学部卒業。東京大学医学系大学院修了。金沢医科大学教授、長崎大学医学部教授、東京医科歯科大学大学院教授を歴任。




イラスト/umao 編集協力/山岸美夕紀
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