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大きな関心が寄せられている「iPS細胞」医療にどう使われているのか?

2020.10.09

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患者由来のiPS細胞を作製して病態を研究


iPS細胞樹立後の早い時期から行われているのが、患者から採った細胞をiPS細胞に変えた患者由来のiPS細胞(疾患特異的iPS細胞)を用いる、病態の研究です。

患者由来のiPS細胞は病気の特徴を持ったままリプログラミングされているため、そのiPS細胞をさらに病気に関連する細胞に分化させて詳しく調べるのです(こちらの図参照>>)。

例えば、神経難病の患者の血液から採った細胞からiPS細胞を作製し、さらに神経細胞に分化させると、この難病の神経細胞を健康な人の神経細胞と比べることができます。


病気の細胞を調べるなら、患者から細胞を直接採取すればいい、と思われるかもしれません。しかし、病気の種類や部位によっては目的の細胞を採取するために心身に大きな負担を強いる場合があります。

例えば、「脳の神経細胞、心筋細胞、軟骨細胞などを採るとすれば、危険や痛みが伴います」と齋藤さん。

また、患者の細胞では病気が成立していく経過をじっくりと見ることができません。そのため、いったんiPS細胞にして、いわば初期に戻った状態の病気の細胞がどんな経過をたどるのかを観察することには大きな意味があるのです。

齋藤さんは「患者さん由来のiPS細胞はいわば培養皿にその患者さんの分身がいるようなもので、研究の重要なツールなのです。動物モデルなどほかの研究手法と組み合わせて、未来がある子どもたちの病気の治療や健やかな成長に役立つ研究をしていきたい」と話します。

日本では、多くの研究者が研究に使えるように、患者由来のiPS細胞は理化学研究所バイオリソース研究センターで保存・管理されています。20年3月現在で、難病を中心に231種類の病気の患者由来のiPS細胞が登録されています。

齋藤さんは患者由来のiPS細胞を研究や臨床に使いやすくするための国のプロジェクトのマネジメントも担当しています。
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