エンターテインメント

“法廷もの”の傑作『十二人の怒れる男』に溝端淳平さんが出演

2020.08.14

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――作品自体の魅力を、どんなところに感じていますか?


「まだ稽古が始まっていないので、映画の感想になってしまうんですが、やっぱりまず脚本の面白さですね。ワンシチュエーションの会話劇で、そこで大きな事件が起きるわけでもないのに、まったく飽きさせない。陪審員8番が少年の無罪を主張したことから、証拠や証言が検証されていく“謎解き”も秀逸で、それによって議論の流れが変化していくところや、よく見ると実はあちこちに繊細な演出が組み込まれているところも面白い。あとは、事件を直接見ていない人たちが先入観や偏見で証言して、それによって物事が決まっていく恐ろしさが描かれているところ。今の世の中とシンクロするものを感じます」

――たとえば、どういったことでしょう?


「たとえば今も昔も、決定権を握っているのは、組織のトップといわれる人たち。人の一生を左右するようなことが、表面的な見方や評価だけで決まってしまうこともあるだろうし、それは一歩間違えると恐ろしいことだなと。同じくらい怖いなと思うのが、同調性です。僕自身も含めて、特に日本人は“変だな”“ちょっと違うんじゃないかな”と思っても、周りの目を気にしてその場の空気になんとなく流されてしまうところがありますよね。そういう点の危うさも含めて、共感できるところが多い作品だと思います」



2019年後期放送の『スカーレット』では、ヒロイン喜美子の初恋の相手となる医学生役を好演。NHK連続テレビ小説への初出演を果たした。
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