カルチャー&ホビー

東儀秀樹さんと考える“平成遺産”。時代の潮流を体現した場所「六本木ヒルズ」

2020.07.28

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デジタル化、グローバル化の時代へ「平成遺産」 第4回(全7回) アナログからデジタルへ、ハードからソフトへ──21世紀の幕開けと歩調を合わせるかのように、デジタル化の波がグローバルな潮流として押し寄せ、私たちの生活を根底から一変させていきました。スマートフォン、GAFA、インターネット、人工知能(AI)、IoT(モノのインターネット)......暮らしの隅々までデジタルが入り込み、決して手放せないものになりました。モノの豊かさを背景とする昭和30年代の変革を「生活革命」の時代と呼ぶならば、平成は情報技術の革新が続いた「デジタル革命」の時代。平成時代は、デジタルによる生活のソフトウェア化が、豊かさと結びついた時代でした。前回の記事はこちら>>

著名人と考えた「平成遺産」


平成の世になってバブル経済が崩壊。その後、デジタル革命、震災などさまざまな出来事が起きました。新しく生み出された時代の象徴を挙げながら、約30年の平成という時代を振り返ります。

六本木ヒルズ
平成15年4月開業の複合商業施設。六本木6丁目の都市再開発として、完成までに17年の歳月を要した。都心を一望できる最上階のスカイデッキは海抜270メートルで、東京タワーの特別展望台より高い位置にある。写真/山梨将典・アフロ

【六本木ヒルズ】

時代の潮流を体現した場所


選/文・東儀秀樹(雅楽師)

僕は六本木ヒルズの住民ではないし、それほどしょっちゅう出かける場所でもない。それでもやはり東京の、そして時代の象徴的な雰囲気は確実に感じていた。時代はバブル崩壊を通り過ぎ、いろいろな意味での格差が浮き彫りになっていった。若者の考え方、仕事の仕方など、それこそ基準がなくなっていくようだった。

IT起業家やベンチャー起業家などの言葉が当たり前になり、そういう関係の企業や人たちがこぞって六本木ヒルズにオフィスを構え、住人にもなった。ヒルズ族と呼ばれる人、またそれに憧れる人。いろいろな渦が起こり始めた場所だったと思う。

六本木ヒルズの最上階から東京タワーを眺める時、つまり少し見下ろす行為で、どこかで「昭和」を超えた感(?)を口にせずともみんなが味わったのではないだろうか。それがいいことだとかよくないことだとかではない。昭和に頑張った人に対する敬意を再び確認し、さらなる未来への夢を感じ、ここからより上を目指す力も育まれたのは、間違いないと思う。

「#平成遺産」の記事一覧
本誌が考える【平成遺産】とは、平成時代に生み出されたもの、もしくは平成時代に広く一般に親しまれたもので、次世代へ継承したいモノ、コト、場所を指します。
『家庭画報』2020年8月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
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