エンターテインメント

旅から生まれた作品を再演。今村ねずみさんがアジアで見た日本とは?

2017.11.17

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――どんな旅が待っていたのでしょう?


「出だしから大変でしたよ。試しにネットでLCCのチケットを買ったら、成田空港で“チケットが取れていない”と言われて(苦笑)。なんとか手を尽くして飛行機には乗れたけど、現地でもトゥクトゥク(三輪タクシー)から何から、とにかく自力で値段を交渉しなきゃならない。それでもシンパシーを感じるんですよね。顔の系統も一緒だし、手を合わせたり、お辞儀をするという文化にも通じるものを感じて。そういうことも含めて、僕はアンコールワットで日本を見たんです」

――それは具体的には、どういったことでしょう?


「一つは、色々な日本人と出会ったこと。ビジネスマンや、リストラまがいの早期退職で会社を辞めて長期滞在中の人、ガイドを雇って遺跡巡りをしている歴史好きな人……。旅先の宿で日本人の中年男たちが偶然出会うという『asiapan』のシチュエーションは、そこから思いつきました。あとはやっぱり現地の人ですね。日本車を買うことが夢だと話す若者や、“日本みたいにハッピーな国から来たのに、なんでもっと人生をエンジョイしないの?”と素朴な疑問をぶつけてくる人……。生きるエネルギーに満ちた彼らを見て、幸せってなんだろう?と思ったんです。この『asiapan』には、僕が旅先で出合ったそんなエピソードも詰まっています」

――今回も、ねずみさんを含むザ・コンボイのメンバー6人のほかに、20代の若者4人が出演するのですね。


「出ますよ。初演同様、トゥクトゥクの運転手や、物売りの青年といった、現地の若者を演じてもらいます。実は彼らは、今年9月に上演した『星屑バンプ』のオーディションで出会った若者達なんです。秋公演で、いきなり一から一緒に作品づくりをするのは大変だなと思ったので、急遽『asiapan』にも参加してもらいました。その作品を年内にもう一度やれることになって、嬉しいです」

――彼らは、ザ・コンボイの固定メンバーになるのですか?


「いえ、若者4人に関しては、あくまでも今回の作品のメンバーです。これからも作品ごとに、メンバーを選んでいこうかなと思っています。そのほうが緊張感があっていいように思うし、今から固定メンバーを増やしてやっていくには、僕には時間がなさすぎる。作品をつくるエネルギーとグループを維持するエネルギーは別ですからね。グループを維持するために新たなエネルギーを使うなら、作品をつくるほうに全精力を傾けたほうがいいんじゃないかと思って」

 


旅へ出ると自分と向き合えるという。「特に問題に直面すると、自分というものがよくわかる。“ここで諦めちゃうんだ、俺”とかね(笑)」
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