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VR(バーチャルリアリティ)のゲームを楽しみながら、病院や家庭でリハビリを

2020.07.10

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誰でもどこでも安全に使えるよう座位にした


開発者の原 正彦さんは循環器内科医で、心筋梗塞を中心に診療にあたってきました。

また、米国心臓協会の世界若手研究者TOP5に3年連続選ばれるなど研究でも認められていたものの、「日々の診療や学術活動だけで多くの患者さんによい医療を提供することはできない、手段はほかにもある、と考えて起業しました」。

そのときに注目したのがリハビリテーション。


心筋梗塞に脳梗塞が重なる患者さん、心筋梗塞のための血栓融解薬で脳出血を起こしてしまう患者さんなどが体が不自由になり、リハビリせざるを得ない現状を見ていたこと、歩行は生活の基本動作であり、全身の機能を表す動作でもあること、かつ誰にでもリハビリの成果がわかりやすいことから、歩行のリハビリテーションをテーマにしました。

「VRは約30年前に医療応用が始まり、リハビリなどに採り入れられてきましたが、普及しませんでした。それは、通常のリハビリをVRに置き換えただけで、使う人に合わせて空間や時間を操れるというVRのよさが生かせなかったからではないかと思います」と原さん。

ゲームにしたのは、継続的に楽しく遊んでもらいながら効果を発揮させたかったこと、また、家庭や商店、ゲームセンターなどに置けば気軽にチャレンジしてもらえることからだといいます。

ゲームなら点数化できるのも魅力でした。

「通常のリハビリでは理学療法士や医師は患者さんを客観的に診ているものの、患者さんがご本人の想定どおりに動けているかどうかはわかりません。また、患者さん自身もリハビリの効果を体感でしか知ることができないのです。しかし、ゲームにすることで結果が数値化され、手が届く距離や反応速度の変化なども含めて効果を知ることが可能です」。

一方で、どこでも行えるものにするためには、専門家がそばにいなくても安全に行えることを担保しなければなりません。

そこで、座位で行える形にしました。座位でも手を遠くに伸ばすとバランスを保つために下半身も一緒に動いています。

「最初は立って行わなければ適切な効果は得られないかもしれないと考えていたのですが、テストしてみると座位でも姿勢制御や認知の能力が十分に上がることがわかりました。脳梗塞でもう歩けないといわれた人が杖なしで歩けるようになった例や認知症の患者さんが自分で積極的に食べられるようになった例などが出てきて、想像していた以上の効果に驚きました」。

医薬品医療機器総合機構に医療機器として登録済みで、昨年度末までに13の医療機関に導入され、今年度はさらに20機関ほどで使われる見通しです。米国や中国、ヨーロッパへの進出も目指しています。

mediVRカグラというネーミングは、「神楽はお年寄りにも覚えていただきやすく、海外では自然とテクノロジーの融合という日本らしさを感じてもらえるから。また、神楽の舞のように体をゆっくり動かすという意味も込めています」。
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