アダム・クーパーさんが語る、最高にハッピーなミュージカル『SINGIN' IN THE RAIN ～雨に唄えば～』の魅力

英国ロイヤル・バレエ団のプリンシパルだった1995年に、マシュー・ボーンが新作『スワン・レイク』の主役に起用。アダムさんはこの作品によって、1999年トニー賞ミュージカル主演男優賞にノミネートされている。

――今後演じてみたい役があったら教えてください。

「特にこれという役はありません。自分の持ち味を生かせるものや、自分にチャレンジを課せるようなもの。ジャンルも、ミュージカル、台詞劇、映像作品……何でもやってみたいですね。それは振付や演出の仕事に対しても同じで、願わくばできるだけ長く今のように仕事を続けていけたらと思っています。どれもまだ発表できる段階ではないんですが、他のクリエイターと一緒にやってみたい僕自身の企画も、いくつか進行中です」

――日本では現在、数多くの公演が中止や延期を余儀なくされています。ロンドンはどんな状況ですか？

「こちらもなかなか難しい状況です。劇場も映画館も基本的にクローズしていますし、皆あまり出歩かず、家にいることが多いですね。いちばん厄介なのは、この状態がいつまで続くかわからない点。特にエンターテインメント業界の人たちは、仕事にいつ戻れるのか、ナーバスにならざるを得ないところがあります。だからこそ心を強く持って、いつ再開してもすぐにできる状態を作っておくことが、今の自分にできること。家族と一緒に、とにかくハッピー＆健康でいて、なるべく普通に生活を送ることを心がけています」

――そんなアダムさんの毎日に、今いちばん喜びを与えてくれるものは何ですか？

「今年飼い始めた犬の存在かな。テディという名の男の子なんですが、僕の愛する家族に彼が新たに加わったことは大きいですね。家に明るいエネルギーをもたらしてくれます。僕が帰宅すると、いつも喜び勇んで駆け寄ってくる。その無邪気な姿を見るだけで癒されますし、一緒に遊んだり、散歩に行ったりして、オフタイムをただただ犬のパパとして楽しんでいます(笑)。娘たちもテディに夢中なんですよ。ただ、あまりに構うので、テディのほうは、もう少し放っておいてほしいと思っているかもしれない(笑)」

――目に浮かびます(笑)。コロナ禍が収束し、9月に『SINGIN' IN THE RAIN ～雨に唄えば～』で、劇場がハッピーな空気で満たされることを心待ちにしています。

「ありがとうございます。僕もそうなることを願ってやみません。ラブストーリーで、コメディ要素も多いこのミュージカルは、ポジティブなエネルギーに溢れています。単なるエンターテインメントではなく、魂が喜びを感じるような作品になっているからこそ、多くの皆さんに愛されているのだろうなと、ステージに立つたびに感じます。3度目の日本公演ができることに感謝の念を抱きつつ、挑みたいと思っています。ぜひ9月に劇場でお会いできますように。観に来てくださった方の人生に、3時間ばかりよいものが加わることをお約束します！」