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きものの文様【雲(くも)】空に漂う「雲気」や「瑞雲」は吉祥のあらわれ

2020.06.12

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きものの文様 きものに施された美しい「文様」。そこからは、季節の移ろいを敏感に取り入れてきた日本人の感性や、古来の社会のしきたりを読み解くことができます。夏の文様を中心に、通年楽しめるものや格の高い文様まで、きもの好きなら一度は見たことのある文様のいわれやコーディネート例を、短期集中連載で毎日お届けします。記事一覧はこちら

今日の文様12
雲(くも)


雲は雨や雪を降らせ、動きによってその日の天候を左右する大きな力を持っています。昔の人々はこうした不思議な雲に、神や霊が宿っていると考えました。古代中国では、雲から万物が形成されたとされ、空に漂う雲を「雲気(うんき)」や「瑞雲」と名づけ、吉祥とみなしました。

日本でも飛鳥時代にこうした中国の影響を受け、雲はさまざまな意匠に使われました。時代に合わせて形を変え、雲の瑞祥性は薄れましたが、雲の形は現代もきものや帯に生きています。

瑞雲(ずいうん)





たなびく雲の形の変化によって、瑞雲、飛雲(ひうん)、渦巻雲、流雲、霊芝雲(れいしぐも)などの名前がつけられています。

瑞雲は瑞祥と名づけられた雲を文様化したもので、吉祥柄として用いるときの呼称です。雲に吉凶の意味を託すことは古くから行われ、雲の形に妖気を覚えると妖雲、異変を感じた時は怪雲(かいうん)などと呼ばれました。

雲取り(くもどり)




雲がふわふわとたなびいている様子を輪郭線や色で表現したもので、周囲や雲の中に草花などをあしらったものも雲取りと呼びます。裾模様を配置するときにも、繋ぎ目や区切り部分によく使われます。

写真は長襦袢ですが、白生地の地紋にも見られます。また、雲取りで囲む輪郭線が逆になったものは、逆(さか)雲取りといいます。


夏のパーティに
青空に綿菓子のように浮かぶ白い雲をふんわりと描いたきものは、竪絽(たてろ)の小紋。くっきりと鮮やかな燕(つばめ)文様の帯を合わせて、気軽な夏のお出かけに。

【向く季節】
通年


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きものの文様

今回ご紹介した文様を含め、300以上もの文様を掲載。文様の歴史や意味が豊富な写真によってよくわかり、体系的に勉強することができます。きものを着る場合判断に迷う格と季節が表示され、こんな場所にお出かけできます、とのコーディネート例も紹介しています。見ているだけで楽しく役に立つ1冊。
書籍きものの文様
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