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国産のはまぐりは流通量のわずか1割! はまぐりの名産地・三重県桑名へ

2020.05.15

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【桑名】
木曽三川と伊勢湾がまじわる汽水域で育った逸品


ハマグリ漁

はまぐりをとる道具は「ウンテン」と呼ばれる。刃のついたかごを下ろし、180メートルの距離を行き来して、はまぐりを刃口の後ろについた袋網に搔き入れる。巻き上げた網からはまぐりを出す水谷圭吾さん。

早朝6時過ぎ、揖斐長良大橋下から船が漁場へいっせいスタート!



「その手は桑名の焼きはまぐり」という洒落言葉もあるように、桑名のはまぐりの歴史は長く、東海道の宿場町として栄えた時代には、街道沿いではまぐりを焼く光景も見られました。

真水と海水の混じる浅瀬に棲むはまぐりにとって、木曽川・長良川・揖斐川の三川が伊勢湾に流れ込む汽水域は生息にぴったりの場所。川の豊富な栄養のおかげで、柔らかく身の詰まったはまぐりが育ちます。

ハマグリ漁

約50隻の船が合図とともにいっせいに走り出す。橋下から30分ほどで漁場へ到着する。

しかしそんなはまぐりも一時は壊滅的な状況に陥りました。

「昭和50年頃、高度経済成長で干潟が減少し、年間3000トンあった収穫量が1トンまで落ち込んだのです」と話すのは「マルヨシ水産」の水谷隆さん。

そこから桑名の人々は、人工干潟を設け、稚貝を放流し、はまぐり保護の活動を続けてきました。

五十三駅景色入美人絵 《東海道五十三次之内 桑名之図》

歌川国貞の「五十三駅景色入美人絵《東海道五十三次之内 桑名之図》」には焼きはまぐりを運ぶ女性や、「焼蛤」「志ぐれ」の文字が描かれている。所蔵=国立国会図書館

現在、漁が行われるのは週3日。まだ薄暗い朝6時過ぎ、漁船が揖斐長良大橋の下から漁場をめがけて走り出します。

収穫量は1人あたり1日15キロまでと決められており、これも保護の一環です。

はまぐりびと(1)


水谷圭吾さん

赤須賀漁業協同組合 漁師
水谷圭吾さん


はまぐり歴:
7〜8年ほど。父親も祖父も漁師と、代々漁師の家に生まれ、20歳で漁師になる。

好きなはまぐり料理:
家では酒蒸し、バーベキューでは焼きはまぐり。

はまぐりへの想い:
小学校の社会科見学で子どもたちをはまぐり漁に連れていくなど、はまぐりを次世代に伝える活動もしている。

はまぐりびと(2)


水谷 隆さん

「マルヨシ水産」4代目主人
水谷 隆さん


はまぐり歴:
42年。高校卒業後、家業に入る。

好きなはまぐり料理:
黒こしょうをふったガーリックバター焼き。残ったスープにパスタを入れても美味。

はまぐりへの想い:
今は仲買人としてはまぐりを扱えることが幸せ。鮮度を保つため砂を入れたプールで大事に蓄養しています。この味を後世まで伝えていきたい。




桑名の撮影風景の動画はこちら


表示価格はすべて税込みです。
撮影/阿部 浩 取材協力/丸佳、大都魚類、鳥羽市立海の博物館

『家庭画報』2020年6月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
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