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宮藤官九郎さんが久々の舞台で描く、身につまされる笑い

2020.03.17

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〔今月の舞台〕

ウーマンリブvol.14『もうがまんできない』


宮藤官九郎さん

「久々にうちの劇団の人たちと舞台をやれることが、やっぱり楽しみですね。大河ドラマにも出てもらった阿部(サダヲ)くんや松尾(スズキ)さんたちに、その後『ウーマンリブ』に出てもらうところも、なんかいいなと思っていて」と話す宮藤官九郎さん。

NHK大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~』も好評だった人気作家が、4年ぶりに舞台を書き下ろす。


自身が所属する「大人計画」が主催する「ウーマンリブ」シリーズの最新作『もうがまんできない』。

劇団メンバーに、「いつか一緒に舞台をやりたいと思っていた」という要 潤さん、柄本 佑さんらが加わり、たまたま同じ空間に居合わせた、互いに無関係な人々の2時間をノンストップで描く。

物語の舞台は、雑多なビルがひしめく都会の一角。雑居ビルの屋上で、解散寸前のお笑いコンビ(要さん、柄本さん)が喧嘩を始める。

隣のマンションのベランダからそれを見て、口を挟むのは、ホームパーティのサプライズ用ケーキを抱えて待機していた会社員(阿部さん)。そこへ現れた別の一組(松尾さんほか)も何やら揉めていて......。

「我慢できないくらいストレスを抱えている人たちの姿から、世の中で今みんなが慢性的に感じている“気分”みたいなものが漂ったらいいなと思ってます。お芝居を観て笑っているうちに、身につまされるというんですかね。お客さんが、なんだか自分のことを笑っているような感覚になったらなと」

書いているうちに、柄本さん、阿部さん、松尾さんの役に「自分のいろいろな面が投影されていることにも気がついた」と笑う。

今年50歳を迎える、いまや大作家だが、飄々とした風貌も物腰も若い頃と変わらない。

「特に変えたいとも思わないので、できれば今後も私服はTシャツとキャップとサンダルで通したいですね(笑)。40代が楽しかったので、なるべくこのままいけたらなと思います」

宮藤官九郎(くどう かんくろう)

1970年、宮城県出身 。91年より「大人計画」に参加。脚本家、監督、俳優として幅広く活躍。作詞も手がけ、パンクコントバンド「グループ魂」では音楽活動を展開。

ウーマンリブvol.14『もうがまんできない』


ウーマンリブvol.14『もうがまんできない』

下北沢本多劇場
2020年4月2日~5月3日
全席指定7000円ほか
大人計画:03(3327)4312

サンケイホール ブリーゼ
2020年5月9日~21日
全席指定7500円ほか
キョードーインフォメーション:0570(200)888
公演の詳細はこちら>>

作・演出/宮藤官九郎
出演/阿部サダヲ、柄本佑、宮崎吐夢、荒川良々、平岩 紙、少路勇介、中井千聖、宮藤官九郎、要 潤、松尾スズキ
表示価格はすべて税込みです。
取材・構成・文/岡﨑 香 撮影/増田 慶 スタイリング/チヨ〈コラソン〉

『家庭画報』2020年4月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
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