2020年。新生・髙橋大輔の情熱が爆発！アイスダンサー、永遠の表現者として始動

遂にお披露目。村元哉中選手と演じた
「美女と野獣メドレー」

第1部の「Feeling good」、第2部の「美女と野獣メドレー」の2回にわたり、2人で滑る姿を披露して息のあった様子を見せた髙橋選手と村元選手。2月からはいよいよアメリカでの練習開始となります。　写真／アフロ


スケーターの皆さんだけでなく、なぜか観客も息切れした(笑)第1部が終わり、続く後半はアイスダンスやペアのカップルナンバーを数多く揃えた構成。

これから連れて行ってくれるであろう、新たな世界へと誘う演出“Welcome to the Ice Dance World！”に、髙橋選手から観客の皆さんへの感謝の気持ちとともに、スケーターや関係者から髙橋選手へのエールを感じました。髙橋選手＆村元選手カップルのお披露目となった「美女と野獣メドレー」では、メリル＆チャーリー組、タニス＆ベンジャミン組と3組でコラボする贅沢なプログラム。オリンピアンの先輩たちから演技で、言葉でアドバイスを受け、一緒に演じるなんて、2人にとってどれだけの力になることか。最高のはなむけプログラムでした。

ロックスターが憑依していた前半とは異なり、アイスダンスのプログラムでは初々しさが垣間見える髙橋選手がなんとも新鮮でしたが、音の捉え方や体の使い方、なめらかに氷の上を滑っていくスケーティングに、髙橋選手＆村元選手の相性の良さがうかがえ、期待大。これからともに練習を積み、時を重ねて、2人ならではの世界が形づくられていくのが楽しみです。

全体を振り返ると、荒川静香さんの表現者としての幅の広さを再認識させられた「Tango Jalousie」や、ミーシャ・ジーさんの心に染みる珠玉のソロナンバー「Les Feuilles Mortes」(枯葉)など、また観たいと思うプログラムがいくつもありました。そのなかで、特に圧巻だったのはThe Phoenix祭り。楽公演のアンコールではスケーター全員によるステップが披露され、会場のヒートアップは最高潮に！

髙橋選手の笑顔にフィギュアスケートを心から楽しんでいる心情と、全出演者から髙橋選手へのエールとリスペクトが感じられ、門出を祝う心温まる時間となりました。

翌週に行われたプリンスアイスワールドの広島公演も盛況のうちに終了。前回、2018年の広島公演では「軽度の左足内転筋肉離れ」により、大事をとって残念ながら滑走を取りやめていた経緯があったので、大勢の方たちが待っていたことと思います。無事に広島に帰ってこられて、なによりでした。



全日本選手権2019のSP「The Phoenix」より。この曲は、4年間の活動休止期間を経て不死鳥の如く蘇り、3作連続全米アルバムチャート1位を獲得したアメリカ出身のロックバンド「Fall Out Boy」の5枚目のアルバム「Save Rock And Roll」に収録されています。引退を経て現役復帰した、髙橋選手の歩みとリンクするドラマチックな状況も興味深いところ。　撮影／坂本正行(世界文化社写真部)

『家庭画報』3月号(2月1日発売)の「日本男子フィギュアスケーター百花繚乱〜“全日本選手権2019”メモリアル」では、全日本選手権でラストのシングル競技に挑む髙橋選手の姿を永久保存しました。一抹の寂しさと、それをはるかに上回るワクワク感と。新しい世界にチャレンジし続ける開拓者、髙橋選手。その旅に終わりはないと信じ、これからも応援していきます！