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祝・箱根駅伝王座奪還!青学・原監督に特別インタビュー

2020.01.10

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苦労したサラリーマン時代。学生たちに同じ轍は踏ませない




妙高高原で初めてお目にかかった原監督。『家庭画報』をお見せすると、「大人気ですよね、おばさま方に。こんないい紙でカラーばっかりで、すごいねぇ」とおっしゃってくださいました。さすがは伝説の営業マン! 撮影/鍋島徳恭

──監督就任当初の理念は「箱根駅伝を通じて社会に有益な人間をつくる」だったそうですが、それは実現できているとお考えですか?


できていると思います。私は学生たちにずっと、自分の考えを持ち、言葉にすることを奨励してきました。提案することを促し、主義主張を述べるよう、言い続けてきたんです。


日本の社会には、異質なことを言うと仲間外れにされる、みんなと歩調を合わせなければという風潮がありますが、私は自分を表現して華やかに舞うのは、決して悪いことではないと思うんですよ。

──そういう考え方はいつ頃からお持ちになったのですか?


自分がサラリーマンになったときの苦い経験からです。

私は大学を卒業して勤めた電力会社の陸上部を5年でクビになって、一サラリーマンとして再スタートを切りました。そのとき、陸上で学んだことがまったく生かされなかったんです。営業先に行っても気の利いたことの一つもいえない。そこに立っとけと言われたら2時間でも3時間でも立っていられたでしょうし、右から左に転記しろと言われたらできたでしょう。でも、何か新しいアイディアを考えたり、相手を喜ばせるようなことを言ったりといったことはまったくできなかった。

今とは真逆ですよ。それは学生時代、陸上以外の情報を遮断して、ひたすら陸上に打ち込んでいたからなんですね。でも当時はそれが当たり前だったんです。

──学生たちには同じ轍を踏ませたくないという思いがおありなのですね。


うちはキーワードを与えて、自分で考え、行動させるスタイルです。言われたとおりにやるだけの人間になってしまったら、社会で通用しませんから。考える訓練をしていたら、どの業種についても、やっていけます。

あとは社会で求められる能力を身につけること。今だったら、一番はコミュニケーション能力でしょうね。二番は突破力かな? あるいは計画力、分析力。だったら、今取り組んでいるスポーツを通して、そうした力が身につくようにしてあげればいいわけです。

──コミュニケーション能力をつけさせるためにどのようなことをされていますか?


うちの寮では毎朝、1分間のショートスピーチをやっています。小さな白板にキーワードを書いて、起承転結をつけて最後は陸上競技に落とし込む話をする。キーワードはなんでもいいんですよ、AKB48でもラグビーでも何でも。ためになるので、僕もいつも聞いていて、授業やコメンテーターの仕事で使うこともあります。同じ仲間でも、寮生約40人の前で話すわけですから、多少なりとも緊張するし、いい訓練になるんです。

また、目標管理ミーティングと称して、定期的に各自の目標と達成度、次の目標などを発表し合あうことで、コミュケーション能力とともに計画力、分析力が培われていきます。そうした力は、監督に言われたとおりにがむしゃらに走っているだけでは得られません。

──監督をしていてよかった、監督冥利に尽きる!と思われるのは、どんなときですか?


一番はやはり、卒業生が幸せな顔で挨拶にきてくれたり、あるいは不平不満を言いたくてやってきて一緒にお酒を飲むときですね。不平不満を持つというのは問題意識があるということだから、いいことなんです。彼らと一杯やりながら、世の中の問題について話し合うのは本当に楽しい。私は趣味がディベートですからね(笑)。



2019年9月、町田寮の夕食タイムをのぞかせていただいたときの1枚。右から、箱根駅伝の2区で6人をごぼう抜きしてトップに立った岸本大紀選手(1年)、中継所で選手たちを支えたマネージャーの鶴貝彪雅さん(3年・来年度の新主務)、原監督の妻で寮母の美穂さん、監督、9区で区間賞を獲得した神林勇太選手(3年・来年度の新主将)。みなさん、いい笑顔! 撮影/大泉省吾



この爽やかな青年は、青山学院大学陸上部で原監督の薫陶を受け、卒業後は希望していたフィジカルトレーナーとなった伊藤雅一さん。在学時は主務(マネージャーのトップ)として箱根駅伝4連覇を経験。現在はトレーナーとして陸上部の後輩たちをサポートしています。9月の合宿では「今回のチームは、一人一人の成長しようという思いが例年以上に強い。結果が楽しみです」と話していました。撮影/鍋島徳恭

原 晋(はら・すすむ)

1967年広島県三原市生まれ。高校時代に全国高校駅伝で準優勝。中国電力勤務を経て、2004年、青山学院大学陸上競技部長距離ブロック監督に就任。09年、33年ぶりの箱根駅伝出場に導く。17年、大学三大駅伝3冠、箱根駅伝3連覇を達成。19年より青山学院大学地球社会共生学部教授。今回が就任以来5度目の箱根駅伝総合優勝。

家庭画報2月号では「『箱根駅伝』の魅力」と題し、箱根に懸ける選手や監督の思い、大会の見所などをご紹介しています。本記事とあわせて、お楽しみいただけます。 ほかにも、日本全国のホテルや温泉宿を厳選してご紹介する巻頭特集や、パリのトップフローリスト「オドラント」による特別特集、毎年ご好評いただいている別冊付録「開運・招福術」まで、盛りだくさんの内容です。

【短期集中連載】「箱根駅伝愛(eye)」 Vol.1 祝・箱根駅伝王座奪還!青学・原監督に特別インタビューVol.2 祝・金栗四三杯!箱根駅伝MVPの東洋大・相澤 晃選手にインタビュー   取材・文/清水千佳子 ※吉田圭太選手の「吉」の字は、正しくは「土」の下に「口」です。
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