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東京2020を宇宙から応援するために 日本の超小型衛星を空へ!/東京大学航空宇宙工学専攻教授・工学博士 中須賀 真一さん

2019.09.25

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「打ち上げた衛星から音が届いた瞬間は毎回体中から涙が出るほど嬉しい」——中須賀さん


中須賀 この1キロ衛星、いくらかかったと思います?

松岡 大きいのが200億円なら、数億円というところでしょうか。

中須賀 松岡さん、いいかたですね。一基300万円で造りました。


松岡 桁が違いますね! どうしてそんなに安く造れたんですか。

中須賀 部品を全部、秋葉原で調達したんです。

松岡 秋葉原ですか!?

中須賀 秋葉原は電子工作の部品が1個単位で買える、いい街なんです。機能については、最先端のものをたくさん搭載しています。部品同士がチェックし合って、どこかが変な動きをしたら自動的にリセットされるようになっていたりとか。

松岡 すごいなぁ......! 打ち上げに成功されたとき、先生はどんなことを思われましたか。

中須賀 「技術は噓をつかない」ですね。宇宙において技術というのは、起こりうることを徹底的に予測して対策を考え、その対策がちゃんと機能するか地上で繰り返し確認しておくことなんです。「宇宙やってる」というと、ちやほやされる世界なんですが、それにあぐらをかいて、技術をしっかり突きつめずに進めてしまうと、絶対にうまくいきません。

松岡 スポーツと一緒ですね。起こりうることを予想して、できる限りの準備をすることが大切です。

中須賀 同じですね。

松岡 ちょっと話がそれますが、スポーツの世界も突きつめていくと、宇宙の話になるんです。いわゆるゾーンと呼ばれる無の境地が無限の宇宙につながっている、と。

中須賀 その感覚、わかるかもしれません。東大の屋上にアンテナがあって、衛星からの音を受信すると、ガーッという音の中に「ピーピピ、ピーピピ」と聞こえてくるんです。あの音は本当にたまりません。すべてのことを忘れるというか、それこそ無の境地ですね。

松岡 うわぁ、うらやましいです!先生はそんな特別な経験を何度もされているわけですよね。

中須賀 少なくとも9回はしていますね。9回打ち上げましたから。

松岡 9回経験されても、慣れることはないものですか。

中須賀 いやぁ、それはないですね。衛星は難しくて、同じ造り方をしても、動くかどうかは実際にやってみるまでわかりません。毎回とても不安なだけに、打ち上げた衛星から音が初めて届いた瞬間は、体中から涙が出るほど嬉しいものなんです。
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