エンターテインメント

菅田将暉さん、今だからこそ挑める美しき独裁者の役

2019.09.26

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菅田将暉さん

シャツ、トップス/コモン スウェーデン(ジェムプロジェクター)

すべてがきれいに揃った瞬間何かがすっと通る感覚


冷静かつ明晰な頭脳と熱いハートを持った逸材は、現在26歳。2017年にはソロ歌手としてもデビューし、多忙な日々を送る。


「体力は意外とあるみたいです。子どもの頃にスポーツや習い事をたくさんしていたので、それが役立ってる気がしますね。

サッカーが週に4日、ほかにピアノ、水泳、英会話、ダンス......小学校時代から今とあまり変わらないスケジュールで動いてましたから(笑)」

しかもそれらは全部、自分からやりたいといって習い始めたものだとか。

「うちの親は、僕がやりたいといったものは基本的に全部やらせてくれたんです。ただ、習い始める前に必ず“どこまでやるの?”と聞いて、たとえば水泳だったら“バタフライまでやる”とか、自分で決めさせる。

だから、やめたくなっても途中で投げ出すことはなかった。それは親のおかげだなと思います」

そんな菅田さんも、芝居を始めた頃は「羞恥心があって、本当はこうしたほうがいいなと考えていることができなかった」そう。

羞恥心をなくすためには、まず周りに認めてもらい、自信をつけるしかない。そこで、台詞をしっかり覚える、標準語を身につけるといったことから、1つ1つクリア。

ようやく羞恥心が取れたときに、初めて自分がイメージした芝居に届いた感覚があったという。

「今でも、そういう感覚は大事にしています。自分の中の筋の通し方というんですかね。鍵穴が全部揃ってロックがパッと外れるみたいに、

体と言葉と心と表情、服装、髪型、空間、見ている人を含めてそこにいる人たち......そういったすべてがきれいに揃った瞬間、何かがすっと通る感覚があるんですよ」

一方で、役柄に没入するほどプライベートにも影響が出るので、意識的な気分転換も欠かせない。

その1つとして時折利用しているのが、ラグジュアリーホテルなのだとか。

「普段と生活環境が変わるだけで、1泊でもかなりリフレッシュできます。きれいな部屋で寝ておいしい朝食をとると、自分がすごく素敵な人間になった気分になります」

いつか、そんなホテルやスーツが似合う大人になっていたいなあと笑う菅田さん。

「でも、まだじっとしていられない今の自分だからこそ、カリギュラという役をやれるんだろうなと感じています。

この舞台を終えたとき、また次の10年が見えてくるのかなと。20代半ばの菅田将暉がやれる全部を出しきりたい。それくらいの気合いで臨みます」

菅田将暉/Masaki Suda

菅田将暉さん

1993年、大阪府生まれ。2009年『仮面ライダーW』でデビュー。2017年の映画『あゝ、荒野』で芸術選奨映画部門文部科学大臣新人賞、日本アカデミー賞最優秀主演男優賞など数々の映画賞を受賞。出演映画『タロウのバカ』が2019年9月6日より公開中。

『カリギュラ』


『 カリギュラ』

新国立劇場 中劇場
2019年11月9日~24日
全席指定1万800円ほか
ホリプロチケットセンター:03(3490)4949

作/アルベール・カミュ
翻訳/岩切正一郎
演出/栗山民也
出演/菅田将暉、高杉真宙、谷田 歩、橋本 淳、秋山菜津子 ほか
2019年11月29日~12月1日に福岡、12月5日~8日に兵庫、12月13日~15日に宮城公演あり。
取材・構成・文/岡﨑 香 撮影/増田 慶 ヘア&メイク/AZUMA〈M-rep by MONDO-artist〉 スタイリング/二宮ちえ

『家庭画報』2019年10月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
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