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聖火リレーの“温かさ”が多くの人の記憶にいつまでも残ってほしい/デザイナー吉岡徳仁さん

2019.08.29

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トーチの炎で少しでも被災地のかたがたを元気づけられたら
――吉岡さん


松岡 自分の作品が人の心を動かすというのは、どういう感覚ですか。僕の場合、以前はスポーツを通して、今は言葉や行動を通して、思いやメッセージを伝えようとしているわけですが、徳仁さんはいかがですか。

吉岡 まったく同じです。どういうふうに表現すれば伝わるか、喜んでもらえるかを考えながらデザインしています。あと、人に感動してもらうにはまず、自分が感動することですね。自分が感動しないものは人にすすめられませんから。僕が自作の1番のファンでありながら、いちばん厳しい目で見ていなければというのはあります。


松岡 なるほど! 僕は応援が生き甲斐なので、2020年のオリンピック・パラリンピックですべてを出し尽くして灰になる、という思いでいるのですが、徳仁さんはどんな思いでいらっしゃいますか?

根底にあるのは被災地の人々へのエール


吉岡 被災地のかたがたが少しでも元気になってくれたらという、それだけですね。震災後、デザインの力で何かお役に立てたらとずっと思っていたので、今回それが叶うなら、すごく嬉しいです。

同時に、被災地のかたがたが前に進む姿を聖火リレーを通じて世界に発信していけたらいいなと思います。そこがこのトーチの完成形かもしれないですね。

松岡 そういう思いで作られたのですね……! 炎がトーチからトーチへリレーされていくなかで、徳仁さんのその気持ちは伝わっていくと思います。深い思いを込めて作られたトーチ、人々の記憶にどんなふうに残ってほしいと思いますか。

吉岡 やはり聖火リレーの温かさというものが、みなさんの記憶に残ってほしいと思いますね。

松岡 僕は来年、聖火リレーを目にするたびに徳仁さんを思い出すでしょうし、1人1人がつながっているという温かい気持ちになると思います。開会式で聖火台に火が灯る瞬間を、世界中の人たちとともに味わうのを楽しみにしています。

修造エール

僕は最初、徳仁さんとは、生まれた年以外は何も共通点がないだろうと思っていたんです。僕はアートに詳しくない人間ですし、徳仁さんは熱さとは無縁に見えましたし。

ところが、対談をしてみて、とても熱いかたであることがわかりました。国際的に活躍しているかたで、たくさんのお仕事を抱えているのに、採用される確証のないトーチを何年もかけて作っていた徳仁さん。

「絶対いけると思うアイディアがあれば、それを実現できる技術や素材を世界中から探し出す」という執念。僕の執念なんて、バン!という瞬間的なものですが、徳仁さんの執念はじわ~っと永遠に燃え続けていくイメージです。これからもその炎を燃やし続けて、素晴らしい作品を生み出してください!

松岡 修造 SHUZO MATSUOKA
1967年東京都生まれ。86年にプロテニス選手に。95年ウィンブルドンでベスト8入りを果たすなど世界で活躍。現在は日本テニス協会理事兼強化本部副本部長として、ジュニア選手の育成とテニス界の発展に尽力する一方、テレビ朝日『報道ステーション』、同『TOKYO応援宣言』、フジテレビ『くいしん坊!万才』などに出演中。近著に『弱さをさらけだす勇気』。8月2日、東京2020オリンピック日本代表選手団公式応援団長に就任。公式サイト>>
撮影/鍋島徳恭 スタイリング/中原正登〈FOURTEEN〉(松岡さん) ヘア&メイク/大和田一美〈APREA〉(松岡さん) 取材・文/清水千佳子 撮影協力/吉岡徳仁デザイン事務所  
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