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いつ始めても遅すぎることはない!ニコチン依存症を治療し卒煙に導く「禁煙外来」〈前編〉

2019.08.23

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知っておきたい! 頼りになる専門外来 治療を続けているのによくならない、今の治療効果に満足していない――。このような悩みを抱える人は少なくありません。こんなときに頼りになるのが「専門外来」です。一般外来ではなかなか受けられない個別性の高い治療が期待できます。今回は「禁煙外来」についてです。記事一覧はこちら>>

科学的根拠に基づいた12週間禁煙プログラムでニコチン依存症を治療して卒煙に導く


健康によくないとわかっていても禁煙が始められない、禁煙に何度も挑戦するけれど挫折するという人は多いものです。たばこをやめにくいのは「ニコチン依存症」にかかっているからです。実は自力で禁煙に成功する人は全体の1割もいません。今回は科学的根拠に基づいた禁煙プログラムときめ細かいサポートで喫煙経験者に寄り添い、卒煙に導く施設をご紹介します。

舘野博喜(たての・ひろき)先生

慶應義塾大学病院 呼吸器内科 非常勤講師

舘野博喜(たての・ひろき)先生

さいたま市立病院内科科長。1994年、慶應義塾大学医学部卒業。同内科学教室入局。2003年~07年まで米国Brigham andWomen’s Hospitalなどの研究員として従事。08年より現職。現在、慶應義塾大学病院とさいたま市立病院の2病院で禁煙外来を担当。日本禁煙科学会認定上級支援医・評議員、日本呼吸器学会指導医・禁煙推進委員会委員。ベンチャー企業と共同で禁煙治療用スマホアプリを開発。カウンセリング、禁煙補助薬に次ぐ第3の禁煙治療ツールとして保険診療での普及を目指す。

ニコチン依存症とは?


たばこに含まれるニコチンには強い依存性があるため、しばらく続けて吸っていると脳は快楽を感じるようになる。

そしてニコチンがないと「身体的依存」として離脱症状(イライラする、落ち着かない、眠いなど)が現れる。

また、食後の一服など日常において喫煙が習慣化され、たばこがなくてはならないものと考える「心理的依存」にも陥り、たばこがやめられなくなる。

これは加熱式たばこにも共通し、一般的なたばこ同様の害がある。

たばこの害は?


たばこの害は全身に及び、がん、心臓病、脳卒中、糖尿病、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、認知症、歯周病など、さまざまな疾患の発症リスクを高め、非喫煙者に比べて喫煙者の死亡率は2倍になり、寿命は10年短くなることがわかっている。

また、肌のハリが失われる、きめが粗くなる、シワが深くなるなど、美容にもダメージを与え、実年齢より老けて見える。

さらに受動喫煙の害も深刻だ。近年は、ニコチンが室内のカーテンやカーペットなどに残留し、それが空気中の物質と混ざることで発がん物質となり、気づかないうちに曝露される「サードハンドスモーク」(残留受動喫煙)の害が問題視されている。

禁煙外来とは?


自分ではたばこをやめにくい人が禁煙補助薬を使い、医師のサポートを受けながら禁煙に取り組める外来。

ニコチン依存症と診断されて一定の条件を満たすと保険診療が受けられる。

診療所・クリニックから大学病院まで、さまざまな規模の医療機関に開設されており、呼吸器内科を中心に循環器内科、消化器内科などが診療を担当している。

こんな悩みは専門外来へ!


●禁煙したいが、自分でやりきる自信がない
●何度も禁煙に失敗している
●病気に罹り、禁煙しなければならない など
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