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患者や市民の参画が進む、医療政策の立案や医学研究の計画

2019.07.11

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医療の知識を身につける講座


始まった経緯や内容は?――


〜医療政策や医学研究の計画・実施に対し、自らの意見がいえる人材を養成する〜


医療制度を学びたい、そして患者として、一市民として医療の場で役割を担いたい、政策や医学研究に提言したいと考える人に対し、認定NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)が講座を開講しています。

「医療をささえる市民養成講座」(全5講座)は病院ボランティアや模擬患者、患者からの電話相談員をしてみたい人、医療のことをきちんと学びたい人向けで、医療の歴史、制度、医療従事者の仕事の種類、医療費など医療の基礎やCOMLの電話相談の実際などについて学びます。


この講座を修了した人は「医療関係会議の一般委員養成講座」(全7講座)を受けられます。

理事長の山口育子さんは自身も多くの審議会などの委員を務めており、さまざまな場面で患者や市民の参画や意見が必要とされていることを実感しています。

「このような場では自分の経験のみを主張するのではなく、冷静に客観的に意見を述べられる人が求められています。一方で、そういう人を発掘し、学ぶことができる場がないと考え、講座を企画しました」と山口さん。

「医療関係会議の一般委員養成講座」を修了し、試験に合格した人は「COML委員バンク」に登録することができ、活躍の場の紹介やブラッシュアップ研修を受けられます。

2年前に始まったこの講座の修了生はすでに20の委員会の委員を務めていて、その半数が厚労省関係の委員です。国立がん研究センター中央病院の研究倫理審査委員に就任した人もいます。

詳しくは、COMLのホームページ(http://www.coml.gr.jp)で。

医療政策や医学研究への患者・市民の参画はどう進展してきたの?


その歴史は?――
ここ10年ほどで急速に患者・市民参画の場が広がる


1990年代後半〜2000年代前半
医学研究の倫理審査委員会や診療ガイドラインの作成に患者や一般の立場の委員が参加し始める。

2005年
中央社会保険医療協議会(健康保険制度や診療報酬改定などを審議する厚労相の諮問機関)に初めて患者委員が任命される。

2008年
国立がんセンター(現・国立がん研究センター)がん対策情報センターで、センターから出される情報のレビューなどを担う「患者・市民パネル」が発足、患者・市民の公募が始まる。

2014年
『Minds 診療ガイドライン作成の手引き2014』(日本医療機能評価機構)に「作成過程に患者・市民参加を図ることは必要不可欠」と明記される。

2015年
「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」施行。研究機関が開催する研究倫理審査委員会には一般の立場の委員の出席が必須とされる。

同年
地域医療構想策定ガイドライン公表。国は都道府県に対し、患者・市民から意見を聴取することを推奨。

同年
日本医療研究開発機構の2016年度「革新的がん医療実用化研究事業」の一次公募要項に「プロトコール作成段階から患者の意見を取り入れることができる仕組みを有していることが望ましい」と記載される。




今、医学研究の計画を決める場に市民を入れる新たな施策が始まりつつあります。来月は武藤さんが携わる取り組みを紹介します。
取材・文/小島あゆみ イラスト/tokco〈LAIMAN〉

『家庭画報』2019年7月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
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