『空母いぶき』で西島秀俊さんと佐々木蔵之介さんが過ごす緊迫の24時間

対照的ながらも信頼しあっている秋津と新波、それを演じる西島さんと佐々木さんも見どころの一つ。ぜひスクリーンでご覧ください。

――本作では、実際に自衛隊員の方たちも未経験だろうことが描かれています。


佐々木：例えば、「防衛出動下令」。これは自衛隊員は発したことはないだろう、と。

西島：戦後まだ一度も発令されていないので。

佐々木：だから、（新波たちも）初めてこの言葉を言う。自衛隊員でありながら。そういう感覚をどう芝居にのせるかっていうのは考えましたね。

西島：そうですよね。ここで受ける衝撃はどれくらいなんですかって言っても、実はみんなわからないんです。実際（攻撃を）受けたことがないから。

佐々木：撃ったときはどうなるかっていうのはなんとなく言うてはったけどね。

西島：誰も経験したことがないところを演じなきゃいけないってなると……。今回の映画は、どれだけリアルに描くかにかかっていたと思うんです。だから、丁寧にいろんな人たちの意見を聞きながら作っていきました。

――では最後に、見どころを。

佐々木：この映画をエンターテインメントとして観ていただいて、もし自分なら……って考えるきっかけになったり、映画館を出たあとに平和が保たれてるなっていうことをもう一度感じてもらえればいいかなと。そんなふうに思います。

西島：もしかしたら起こりうる未来が描かれた漫画ですけど、もし現実が追いついて、描かれているようなことになったら、どうなるのか。自衛隊員、マスコミ、政府、国民は何と直面して何を考えてどう乗り越えようとするのか、それぞれの立場で描かれていて。手に汗握る、それぞれの戦いを観ていただいたら、今の平和の尊さをきっと実感していただけると思うので、ぜひ劇場に足を運んでください。