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髙橋大輔、覚醒して東急シアターオーブに降臨『LOVE ON THE FLOOR2017』プレスコール&初回公演レポ

2017.06.21

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殻を脱ぎ捨てたダンスで伝わる覚悟 

そして、昨年の公演で「台輔」として人気を博した「EXPERIMENTATION=実験」。今年はさらにパワーアップした台輔さんが待っていました。「ダイスケのダンスが格段にレベルアップしているから、ダンサーたちと絡むシーンを増やした」とシェリルが言っていましたが、男性ダンサーたちとのダイナミックで激しく、それでいて流れるように一瞬も途切れることのないダンスは、今晩夢に出てくるのではないかと思うほど(笑)、刺激的で美しいシーンでした。ダンサーたちの支えはあるものの、台から後ろ向きでふわっと舞台に降り立ち、踊り終わって最後に舞台からまた台にすっと戻る動きも、これが現実なのかはたまた夢なのか謎の余韻を残す演出。このコーナーすべてが、忘れられない衝撃シーンにランクインです。 

昨年も「HURT PAIN」の演技でダンサー、役者の魅力を再認識させてくれたチャーリー。今年は冒頭、メリルと二人で切なく艶のあるダンスシーンを披露してくれました。舞台を見て改めて感じたのは「この二人は氷上であってもオフアイスであっても関係なく、表現する能力が卓越している」ということ。スピードがあってキレのいい高速回転リフトを舞台の上でできるのはメリル&チャーリーならでは。目の前で見ることができて本当に眼福でした。 
6月16日に行われたプレスコールより。

「LOVE LOST」(SCENE13 メリル・デイヴィスさん&チャーリー・ホワイトさん)


楽曲「Say Something」にあわせ、 さすがの安定感で魅せるソチ五輪アイスダンス金メダルの2人。

そして今回、私にとって一番驚きだったのは「POWER」の中のコーナー「Home Town Glory」。最初、舞台に立つ姿を見た時は違うダンサーだと思いました。光の中でその顔を見たときの衝撃! 髙橋さんが上着を着ていない。上半身裸で舞台に立っている。その事実を認識したとき、「これは今、すごい瞬間に立ち会っている。覚醒した髙橋さんがまた扉をひとつ開けて、新たな歴史を始めようとしているんだ」と呆然としてしまいました。先月、『氷艶』の公演を見た時に感じた「今まで見たことがない、新たな世界を見ることができた!」という感動ともまたちょっと違う、髙橋さんと一緒にパンドラの箱を開けたような連帯感……。 

白の衣裳を着ることにさえ難色を示し、透け感のある衣裳の下には肌色の服を着込むことを譲らなかった髙橋さんが上半身裸で観客の前に現れる意味とは。今まで自分で手放さなかった殻を捨て去ると同時に、知らず知らず抱えてきた重荷や縛りを脱ぎ捨てて解放されていく象徴なのかもしれないと思いました。あの髙橋さんを上半身裸にしてしまうジェリとポール、シェリルはただ者ではありませんね。でも、どんなに熱烈にオファーしたとしても、1年前、初演時の髙橋さんなら絶対に脱がなかったはず。今回、ここで脱ぎ捨てられるほどまでに自信をつけ、覚悟を持てたのは髙橋さん自らの決意なのでしょう。1年でこれほどまでに人は変われるのですね。 

「POWER」でのセリフ、「自信が持てず、自分を傷つけたときもあった。自分を受け入れることが、すべての始まり。私は私のままでいいのだと。その強さこそ、自分自身が生み出す力」。この言葉のすべてが、髙橋さんのここに至るまでの決して平坦ではない道のりに重なり、上半身裸でこの舞台に立ったその覚悟に胸を打たれました。同じように感じられたかたも多いのではないでしょうか。初日公演では、観客の誰一人声を立てることなく、皆が息を呑んで髙橋さんを見守っていました。 

アンコール後のキャスト全員による初日舞台挨拶で、シェリルに「あなたのすべてを誇りに思う」と言われ「まだまだこれからいきますよ〜!」と宣言したあとに照れまくるところがファンの皆さまに愛されるゆえんなのでしょう。本人のやる気スイッチさえ入れば、化けることはわかっていました。もともと表現者としての才能の塊なんですから。でも、こちらの予想を遥かに上回るスピードで、しかも軽々と、次々に未知の世界の扉を開けていく髙橋さん。もちろんスケートが軸ではありますが、氷の上でも陸でもどんどん境がなくなってきている気がします。覚醒した髙橋さん、そしてプロフェッショナルで魅力的なトップスケーター、トップダンサーたちによるすべてのダンスシーンがきらきら輝く宝箱のようなLOTF。これから舞台を御覧になられる皆さま、どうぞお楽しみに。 

そして公開練習のレポで、公演ではまばたきする間もないだろうから目薬必須と書きましたが、心揺さぶられるダンスに感極まって目頭を押さえていらっしゃるかた多数。目薬はなくても大丈夫のようです。千秋楽まで見届けてから、またここ『家庭画報.com』にてお宝画像とともに振り返りたいと思います。舞台はなまもの。覚醒した髙橋さんが千秋楽に向かってどれだけ進化していくのか、楽しみですね。 

木下グループ presents LOVE ON THE FLOOR 2017
公式サイトURL:http://loveonthefloor.com/ 

小松庸子/Yoko Komatsu

フリー編集者・ライター
世界文化社在籍時は「家庭画報」副編集長としてフィギュアスケート特集を担当。 フリー転身後も「家庭画報」誌面にてライフワークとして大会やアイスショーなどを取材。
取材・文/小松庸子 撮影/家庭画報編集部
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