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「セカンドオピニオン」を正しく理解していますか?

2019.05.10

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お医者さまの取扱説明書 総合内科医の尾藤誠司先生に、患者と医師の良好コミュニケーション術を教わります。記事一覧はこちら>>
「セカンドオピニオンを誤解している人は、患者さんにも医師にも少なくない」と尾藤先生はいいます。本来の目的は、患者が主治医の意見や方針の妥当性を確認し、迷いに踏ん切りをつけること。主治医への信頼を確かめるためのセカンドオピニオン。その頼み方、生かし方とは──。“目からウロコ”の話です。

尾藤誠司(びとう・せいじ)先生

尾藤誠司先生
独立行政法人国立病院機構 東京医療センター 臨床研修科医長・臨床疫学研究室長

主治医への信頼をベースに別の医師の意見を聞く制度


セカンドオピニオンを何のためらいもなく要求できる患者は少数派ではないでしょうか。なぜか後ろめたさを感じてしまうし、実際、その場面で「私を信用できないのか」といわんばかりの不機嫌な態度を示す医師もいるからです。

この状況を尾藤誠司先生は、「本来の目的を誤解している人は、患者さんだけでなく実は医師にも少なくない。このことがセカンドオピニオンをめぐる両者の関係性をややこしくし、有効活用をさまたげる原因にもなっています」と解説します。

ではセカンドオピニオンは本来、どのように活用されるべき制度なのでしょうか。

基本的には、通常30分から1時間程度の面談で行われ、費用は全額自費の自由診療。その場で新たな検査や診察や治療を行うことはありません。セカンドオピニオン先の医師(以下、セカンドドクター)は、主治医の紹介状と検査結果などの資料をもとに自らの見解を出し、患者に伝えます。

たとえば主治医にがんの手術をすすめられたとき。患者は、おそらく手術が妥当なのだろうなと理解しながらも、「他の選択肢はないのだろうか。別の専門医の意見も聞いてみたい」と思うこともあれば「いま一つ迷いが残り、踏ん切りがつかない」と不安になることも当然あるでしょう。

「このような場合の確認行為、そして不安解消のための手段が本来のセカンドオピニオンなのです。医師が医学的論理に則って導き出す見解に大差は生じにくく、セカンドオピニオンと主治医の意見は多くの場合一致します。患者さんは“やっぱり先生のいうとおりだった”と主治医への信頼を確認し、手術を受ける覚悟を持つ──。これがセカンドオピニオンの理想の姿です」

異なる意見が出た場合も、それは主治医と患者が今後の治療方針を相談するうえでの貴重な参考意見となります。つまりセカンドオピニオンは、今後も両者の信頼関係が継続していく前提の中の、1プロセスなのです。
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