怪我明け、約4か月ぶりの実戦となったSPでは、さすがの羽生選手も緊張気味で、冒頭の4回転サルコウが2回転になり「頭が真っ白になった」と囲み会見で語っていました。でも、その後、持ち直して最小限のミスにとどめたのはさすがです。会場を歓喜させる美しい舞を見せてくれました。写真／青木紘二/アフロスポーツ強い選手たちと戦って
完璧な演技をして勝ちたい！
自己最高得点を叩き出したものの2位という結果に、試合直後こそ羽生選手も「自分にとって、負けは死も同然」と強い言葉で悔しさをにじませていましたが、時間を置いての記者会見では「やはり強い選手と戦えるのは楽しいですね。尊敬し合えるスケーターたちと一緒に戦って、完璧な演技をしたうえで勝つのが一番嬉しいですし、自分のためにもなることに、改めて気がつきました。ある意味、また原点に戻れた気がします」と吹っ切れた笑顔を見せてくれました。
五輪2連覇を達成し、さらなるモチベーションが技術の向上にしか見いだせない孤独な戦いでは、やはり限界があるのではないかと感じていました。お互いを高め合えるネイサンや宇野選手のようなライバルの存在は、羽生選手が長く現役を続けるためにも必須です。今回の悔しさを糧に、羽生選手がさらなる進化を見せてくれるのは間違いないはず。
注目される4回転アクセルや4回転ルッツなどのジャンプに関しては、「全部取り組んでいきたい！」と前向きな様子を見せましたが、「来季に入れられるかは状況次第。前回より、今回の怪我のほうが治りも遅かったですし、足首の寿命を加味して、怪我をするリスクを踏まえたうえで練習しなければならないので、明言は難しいです」とコメント。
アクセルだけなく、トウジャンプの4回転にも挑戦したいといわれると、できるだけ長く、羽生選手のスケーティングを見ていたいこちらとしては、ドキドキしますよね。まずは、しっかり右足首の怪我を治してから、お願いしたいところです。
