フィギュアスケート

氷上に再び舞い降りた羽生結弦選手、魂の演技をリポート2019世界選手権編

2019.04.04

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2016年に国際大会で羽生選手が初めて決めたジャンプでもあり、今回の怪我の原因ともなった4回転ループ。冒頭に組み込まれたジャンプを見事成功させ、魂の滑りを見せてくれた4分間でした。写真/青木紘二/アフロスポーツ

羽生選手が魅せた美しい飛翔!
4回転トウループ-トリプルアクセルのコンボ


結果としては、SP(ショートプログラム)3位(94.87点)、FS(フリースケーティング)2位(206.10点)、合計300.97点の総合2位でしたが、4か月ぶりの実戦です。ループの練習を始められたのが、大会のわずか3週間前のこと。しかもその時点で、成功率は約50本に1回だったのですから、ここまで戻してこられたのは驚異的といえます。


SP「秋によせて」では冒頭の4回転サルコウが2回転になり、無得点になってしまった痛いミスはありましたが、トリプルアクセルは今日の男子選手の中で最高の高さと飛び幅。まさにお手本のような美しいジャンプでした。4回転トウループ–3回転トウループも見事に決め、ステップもスピンもキレキレ。

でも、演技後の羽生選手に笑顔がなかったのは、ネイサン・チェン選手、宇野昌磨選手といった選手たちと競い合う今大会では、ノーミスの演技ができた選手に勝利の女神が微笑むことをわかっていたからなのでしょう。

だからこそ、SP首位のネイサン・チェン選手と12.53点差がついたなかで見せてくれたFS「Origin」の滑りに、心が震えました。

冒頭、鮮やかに決めた4回転ループ。昨年11月の怪我の原因となったジャンプだったので、皆さんもハラハラしながら見守られていたと思います。この最初の難関を乗り切ったものの、緊張もあったのか、続く4回転サルコウでは着氷が乱れ、回転不足に。でも、転倒せずになんとか耐えしのいだ姿に、平昌五輪での演技を彷彿させる強靭な精神力を感じました。

そして、FSの後半に組み込んで、GPS2018フィンランド杯において世界で初めて成功させた4回転トウループ-トリプルアクセル。今大会ではクリーンに決めてみせました。リカバリーがきかない後半に、このコンビネーションを組み込むのは、高いジャンプ技術を持つ羽生選手だからできる挑戦的な構成です。ステップがレベル3になるなど多少のミスはありましたが、206.10点というルール改正後の世界最高スコアを獲得。本当にあっぱれな演技でした。

今回は、この直後の滑走でほぼノーミスの演技をして羽生選手の得点を上回った、ネイサン・チェン選手をたたえるしかありません。
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