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慢性痛が直りにくい原因は?どんな対策がある?痛みの「専門外来」で聞きました

2019.03.08

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薬物や神経ブロック療法で長期間続く痛みを緩和する


滋賀医科大学医学部附属病院では2013年に「学際的痛み治療センター」を開設し、難治性慢性痛の治療に積極的に取り組んできました。

同センターの大きな特徴は、ペインクリニック科を中心に診療科や職種を横断した学際的な診療体制が構築されていることです。

痛みの評価を行う際には、看護師、理学療法士、臨床心理士も加わり、痛みの状態や状況を多面的に確認します。


さらに、その評価をもとに診断や治療方針を決める際には“痛みの学際的カンファレンス”が開かれ、関連医学領域の専門家が集まって診断と治療方針を話し合い、その患者に最も適した治療法が選択されます。

「実際の治療は、カンファレンスで決まった治療方針に従って行われ、麻酔科・ペインクリニック科の医師、理学療法士、臨床心理士の3者が専門的な立場からそれぞれかかわります」と同センター長の福井 聖先生は治療体制について説明します。

心身両面から難治性の痛みの治療に取り組む


また、治療の目的は大きく2つに分かれます(図参照)。

慢性痛に対する治療戦略


治療の目的図

1つは痛みを軽減すること。痛みが続くと食欲や睡眠が障害されるだけでなく、精神的にも苦しい状況に追い込まれます。

「一般的なうつ病の罹患率は5パーセントですが、慢性痛のある人ではそれが18~85パーセントに跳ね上がります。慢性痛があるとうつ病や不安障害といった精神疾患を併発しやすく、なおかつ精神疾患を併発すると慢性痛が重症化し治療効果が得られにくくなることが判明しています」。

痛みを軽減する治療としては薬物療法とインターベンショナル治療が行われます。

「薬物療法では神経障害性疼痛に対する薬物、弱オピオイド鎮痛剤を中心に漢方薬も用いますが、有効性が高いとされる薬剤でもよく効くのは3人に1人程度です。

これらの薬剤は適応と薬による疼痛コントロールの限界を見極め、上手に使っていくことが重要です」と福井先生は説明します。

一方、インターベンショナル治療とは、痛みの原因になっている神経などにブロック針を刺すといった体に侵襲が加わる治療法のことで、代表的なものに神経ブロック療法があります。

「近年はX線や超音波、CTなどの画像診断機器で患部を透視しながら治療する方法が普及しています。当センターにおいても椎間板ヘルニア、椎間関節症、肩関節周囲炎など整形外科系疾患を中心に積極的に実施しています」。

ちなみに福井先生は日本ペインクリニック学会が作成した『インターベンショナル痛み治療ガイドライン』のチームリーダーとして活躍し、この分野では指導的立場の1人です。
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