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アップルウォッチで心電図、センサー内蔵の飲み薬も登場!最先端医療「IoMT」って?

2019.02.22

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未来の医療 第9回 進歩する生命科学や医療技術。わたしたちはどんな医療のある未来を生きるのでしょうか。「未来を創る専門家」から、最新の研究について伺います。前回の記事はこちら>>
あらゆるモノがインターネットに接続する「モノのインターネット」(Internet of Things:IoT)がヘルスケア領域でも普及してきました。

「医療のモノのインターネット」(Internet of MedicalThings:IoMT)に詳しい順天堂大学医学部附属順天堂医院眼科 助教の猪俣武範さんにIoMTについて教えていただきます。

猪俣武範(いのまた たけのり)さん


未来を創ろうとしている人:
猪俣武範(いのまた たけのり)さん
順天堂大学医学部附属 順天堂医院眼科 助教
一般社団法人IoMT学会 代表理事

腕につけられる心電図、センサー内蔵の飲み薬が登場


あらゆるモノがインターネットに接続する「モノのインターネット」(Internet of Things:IoT)はここ数年、大きな話題になっています(3ページ4ページ参照)。

そして、IoTの恩恵は、ヘルスケアの領域でも非常に大きいと考えられています。眼科医であり、経営学修士号(MBA)も持つ猪俣武範さんは、いち早く「医療のモノのインターネット」(Internet of Medical Things:IoMT)に注目し、2016年に仲間とともに一般社団法人 IoMT学会を設立、代表理事を務めています。

「IoMTは医薬品や医療機器、医療環境におけるインターネット化、センサリング、データの共有や利活用、大規模データ処理を含めた概念です。センサーや受信器、スマートフォン、ソフトウェア、データストレージなどを使い、生体やモノの情報を診断や治療、病気や怪我の予防に役立てるのです」と話します。

ウェアラブルデバイスが、直接あるいはスマートフォンなどを通して情報を医療者に伝える

家にある体温計などの医療機器やウェアラブルデバイスが、直接あるいはスマートフォンなどを通して情報を医療者に伝える。医療機器も使用状況やメンテナンスの必要の有無を自らが判断・通知して対処する。

最もわかりやすいのは、ウェアラブルデバイスと呼ばれる、腕や頭、指など体につける端末でしょう。

歩数や心拍数、睡眠の時間や質などを計測するデバイスはアプリに計測結果を記録するだけでなく、「そろそろ歩きましょう」などとアドバイスやリコメンデーションを届けるようにもなっています。

Apple Watchを使っている人もいるかもしれません。18年に米国食品医薬品局がApple Watchに搭載されている心電図が取れるソフトウェアを承認しました。

普段からの心電図や脈拍がわかれば、心疾患の診断や治療効果の判定、再発の予防に利用できます。

17年には米国で、世界で初めて薬に内蔵されたセンサーによって薬を飲んだことが確認できる抗精神病薬とその検出器が承認されました。

医師の指示どおりに薬を飲まないと再発の可能性がある病気であっても、実際には医師は患者がほんとうに薬を飲んでいるかは確認できません。

この薬には胃液に触れることで信号を出す1ミリ角のセンサーが内蔵されており、腹部につけた受信器が信号をキャッチすると患者のスマートフォンに情報が送られ、アプリに記録されます。

また、10年に欧州で承認された、眼圧を最長で24時間モニタリングするコンタクトレンズ型センサーとその受信・記録機器が、18年に日本でも承認されました。

コンタクトレンズに埋め込まれたセンサーが角膜の曲がり具合を電気信号に変え、その信号が目の周囲につけたアンテナを経て胸につけたレコーダーに保存されます。

そして、それがさらに医師などのパソコン内のソフトウェアに送信されます。眼圧はもともと日内変動があるうえ、さまざまな要因で変動します。

緑内障などの病気で眼圧が上がると網膜の神経が傷害されて失明することがあり、どんなときに眼圧が上がるかがあらかじめわかっていると眼圧の上昇を予防できるかもしれないのです。

ベッドや体にセンサーをつけたり、室内カメラでの画像を自動でチェックできるようにしたりして、在宅で患者を見守る方法が実用化されつつあり、「入院期間が短くなる、病院や介護施設に入れない場合でも見守ってもらえるといったメリットがあります」。

このように現在は個人と病院などの双方向での情報のやりとりが主ですが、今後は1つのデータがさらに多くのデータと組み合わされ、データの内容の解釈が人工知能(AI)によって行われるようになります。

例えば、医薬品の管理であれば、保管庫の温度が自律的に調整されるのはもちろん、患者数を勘案して在庫が足りなければ自動的に発注され、保管庫の修理のタイミングもそれ自体が発するなど1つの機器が多くの情報を送受信します。

「手術室へ向かうストレッチャーにセンサーをつければ、手術時間、前後の待ち時間などの状態を把握できます。

このようにIoMTは仕事のオペレーションの見直しにつながり、待ち時間が減るなどして患者さんの満足度を上げるほか、医療ミスの減少、経営改善、医療者の働き方改革につながる可能性があり、国の医療費削減にも役立ちます」
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