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伝統工芸

料理研究家中村奈津子さんと一緒に作った、山形鋳物のモダンな鉄鍋

2019.02.21

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熟達の職人技だからこそ実現できた、薄手でシャープな鉄鍋


鯛めし

3月のご馳走、鯛めし。
白ご飯の炊き方は、洗った米2合と水400mlを鍋に入れ、蓋をして強火にかける。沸騰したら蓋を開けずに弱火で12分炊く。火を止め軽くほぐしたら、蓋をして5~10分蒸らせばでき上がり。漆椀/山田平安堂



山形鋳物の起源は前九年の役が起こった平安時代後期のこと。この地を訪れた鋳物職人が、現在の山形市を流れる馬見ヶ崎(まみがさき)川流域の砂を見て、鋳型を作るのに好適なことを発見し、製作を始めたといわれています。

その後、釜などの日用品から仏像や鐘のような大きなものまで、鋳物の技術が進歩。明治になると、茶の湯釜などの工芸品も作られるようになり、現在に至ります。

1500度以上にもなる鉄を 鋳型に一気に流し込む失敗の許されない工程。

1500度以上にもなる鉄を 鋳型に一気に流し込む失敗の許されない工程。

山形鋳物の代表的な鋳造方法は、でき上がりを模した木型を作り、その木型をもとに鋳型を作ります。鋳型の中の空洞に熱した鉄を流し入れ、冷めたところで鋳型を割り、中から鋳物を取り出します。

“お湯”と呼ばれる熱した鉄はあっという間に冷めて固まってしまうため、流し入れる際は、数十秒という短い時間で、お湯を鋳型全体にむらなく行き渡らせなければなりません。

大きいものやデザインが複雑だと、熟練の職人にとっても息をのむ瞬間です。

今回の鉄鍋は、本体が約2キロ強と比較的軽く、見た目も薄手ですっきりとしたデザインが特徴。鉄を使ってこの薄さと軽さを実現できたのは、熟練の技があってこそ。

「しずく」シリーズの鉄瓶

長谷川さんの近作「しずく」シリーズの鉄瓶。3Dプリンターを導入し、より精密なデザインの作品を作れるようになった。

「初めは少し苦心しましたが、ほかにはない鍋ができ上がったと思います」とにこやかに話す長谷川雅也さん。デザイナーの息子さんとともに、3Dプリンターなど新たな技術を導入しながら、鋳物のさらなる可能性を切り開こうとしています。

今回ご協力いただいたかた


長谷川雅也さん

雅山(がせん)
長谷川雅也さん

創業1902年の工房「雅山」の4代目。伝統の技を守りながら、新たな技術やデザインを取り入れ製作に取り組む。


山形市銅町2-1-21
TEL:023(632)3432

家庭画報×山形鋳物蓋付き両手鍋のご購入方法

「蓋付き両手鍋」

「蓋付き両手鍋」底面直径約16センチ×口径約23センチ×深さ約7センチ 3万2000円(税・送料別)。購入をご希望のかたは、直接「雅山」にご注文ください。ご注文は、氏名・住所・電話番号・注文個数を明記のうえ、FAXまたはメールにてお願いいたします。

FAX/023(632)3457
メール/gasen@h4.dion.ne.jp

※ご注文が確定し、ご入金いただいてから製作するため、商品のお届けにはお時間がかかります。また、商品は一つ一つ手作りのため、仕上がりが写真とは少々異なる場合があります。
表示価格はすべて税抜きです。
撮影/角田 進 本誌・西山 航

「家庭画報」2019年3月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
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