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宮本亜門さんの演出で新たに甦ったオペラ『金閣寺』が、東京に凱旋!

2019.01.18

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2019年10月には東京二期会とザクセン州立歌劇場との共同制作によるプッチーニ『蝶々夫人』のワールドプレミエを予定している。衣装デザインは、髙田賢三さんが務める。

――この『金閣寺』は人数が多いだけに、より壮大な世界観が期待できそうです。


そうですね。ベルリン・ドイツ・オペラでスタートした作品だけに、オーケストラの人数がすごく多いですから。しかも指揮者は、フランス屈指の若手ホープ、マキシム・パスカル。とても生き生きしていて、自分でも次々と新しいオペラ作品を紹介している革命児なんですよ。いい意味で、容赦せず、すごい世界を引き出してくれるだろうなと思っています。

――3公演しかないなんて、もったいない気がします。ある意味、究極の贅沢とも言えますけれど。


贅沢ですよ。やっているほうにしたら、相当コスパは悪いですけど(笑)。実際、皆でよく言い合うんですよ、“散々稽古して、本番は2~3回。なんでこんなことやってるんだ?”って(笑)。特にこの『金閣寺』の稽古は大変でしたからね。狭くて隙間風が入る真冬のフランスのアパートで、2か月半一人暮らしをしながらの稽古。寒くて雪も降ったのに、暖房が壊れちゃって、部屋では体に毛布を巻きつけて、ひたすら譜面を見てました。でも今思うと、その追い詰められた感じが、作品には合っていたかもしれない(笑)。そんな思いをしてまでも、自分はやっぱり作品をつくりたいんだなあと、初心に帰ることもできた還暦最初の仕事でした。

――最後に、改めて作品の見どころとメッセージをお願いします。


日本のオペラでは珍しいグランドオペラですし、ここまで壮大でスリリングで、ドラマ性があるものはなかなかありません。この機会にぜひ、日本が世界に誇れるオペラの、お経の世界を含む素晴らしい音楽性を楽しんでいただけたら。実は、黛さんのご家族に許可をもらって、台本や譜面の順序を少し替えさせてもらったりもしています。ドイツ語上演ではありますが、日本のお客さまに向けて演出に手を入れますし、歌手もダンサーもコーラスも魅力的なので、想像を超えた瞬間をライブでお届けできると思います。臆することなくいらしてください」

右手の障害(原作では吃音)にコンプレックスを持つ溝口は、ことあるごとに父から「金閣ほど美しいものはこの世にない」と言い聞かされた金閣寺に預けられ、様々な経験をする中で、金閣の美の魔力に憑りつかれていく……。亜門さんの感性で新たに甦った傑作オペラで、未知なる感動を味わいたいものです。

宮本亜門/Amon Miyamoto

演出家
1958年、東京都出身。1987年に自作のオリジナルミュージカル『アイ・ガット・マーマン』で演出家デビュー。2004年、米国N.Y.オン・ブロードウェイで、東洋人初のブロードウェイ演出家として、ミュージカル『太平洋序曲』を手がけ、翌年、トニー賞4部門にノミネートされる。ミュージカル、ストレートプレイ、オペラ、歌舞伎など、ジャンルを越え、演出家として国内外で幅広い作品を手がけている。
東京二期会オペラ劇場
フランス国立ラン歌劇場との共同制作
オペラ『金閣寺』《新制作》 全3幕/日本語および英語字幕付きドイツ語上演


2月22日18時30分~、23日14時~、24日14時~/東京文化会館 大ホール S席/1万5000円 A席/1万3500円 B席/1万円 ほか お問い合わせ/二期会チケットセンター 電話03-3796-1831
原作/三島由紀夫 作曲/黛 敏郎 台本/クラウス・H・ヘンネベルク 指揮/マキシム・パスカル 演出/宮本亜門 出演2月 22日・24日/宮本益光、加耒(かく) 徹、樋口達哉、前田春翔 ほか 2月23日/与那城 敬、髙田智士、山本耕平、木下湧仁 ほか 合唱/二期会合唱団 管弦楽/東京交響楽団

 
取材・構成・文/岡﨑 香 撮影/西村彩子<SELF:PSY’S>
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