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宮本亜門さんの演出で新たに甦ったオペラ『金閣寺』が、東京に凱旋!

2019.01.18

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2018年9月には「ジャポニスム2018」の一環として、仏国ヴェルサイユ宮殿オペラハウスで皇太子殿下、マクロン大統領を迎えて、能×3D『幽玄』を演出した。

――独自の演出として、ダンサーも出演するそうですね。


ええ。主人公の溝口を、若く純粋な頃の歌わない溝口=ダンサーと、成長して自己との葛藤が多くなる歌う溝口=歌い手で表現する方法を考えました。歌い手の年齢層が高かったフランス公演と違って、今回の日本公演では歌う溝口を40代のバリトンの方が務めるので、歌わない溝口にミュージカル『ビリー・エリオット』で主役を演じた前田晴翔くん等の若手を選びました。最初は爽やかな高校生ですが、父を亡くして道を失い、どんどん傷つきもがき苦しんでいく。そのさまをダンスにしてほしいと思っているので、稽古場で追い詰めていくことになりそうです(苦笑)。



オペラ『金閣寺』2018年春のフランス公演より。舞台美術は、亜門さんと『魔笛』でもタッグを組んだボリス・クドルチカ。© Klara Beck

――美しい舞台表現が楽しみです。


溝口にとって金閣寺=神であり、彼の脳内で、ある時は絶対的な美の象徴となり、ある時は恐ろしい魔物にもなる心の鏡であると僕は理解しているので、あえて舞台上に具象としての金閣寺は置きません。舞台美術と映像はポーランド、照明はイスラエル、衣装はフランスの人という、とんがった美意識を持った、多彩なクリエイティブチームがつくり出すきれいな世界が、闇の中に次々と現れますよ。きっと日本のお客さんが想像し得ないような驚きを与えてくれると思います。

――1952年の創設以来、海外の歌劇場との提携公演に積極的に取り組んできた東京二期会と亜門さんのタッグは、2002年の『フィガロの結婚』以来、今回で7作品目。前作のオーストリア・リンツ州立歌劇場との共同制作による『魔笛』(2013年リンツ、2015年東京)も大好評でした。オペラ作品を演出する楽しさをどこに感じますか?


やはり音楽ですね。この『金閣寺』にしても、闇の中に常に何かがうごめいている感じや、内面の世界が溢れ出てくる感じが、音楽でとてもよく表現されていて、そこはオペラならではだなと感じます。あとは、徹底的に訓練された人達が出す生の声や楽器の音が、ある域に達した時に訪れるカタルシスというんですかね。台詞劇やミュージカルでは感じ得ない、極限を超えた壮大な世界がドーンと出てきた時に、やっぱりオペラって面白いな!と思う。お互いがお互いを高め合って、うわ、こんなところまでいっちゃったのか!というような面白さ。それは、録音や機械では決して味わえないものですから。
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