綾戸智恵さんが、大泉 洋さん演じる主人公の母親役を熱演！

母は息子を、息子は母を。互いの思いに触れ、涙が。「“泣いてる”と“笑ってる”は同じ。どっちも感情が動いたっていうことやから」

役にはまってしまい、涙が止まらなくなった大泉さんとのシーン

光枝を拒否する鹿野。光枝も踏み込んでいこうとはしません。でも、その裏にはお互いを思う気持ちが隠されていて……。劇中、鹿野が声にならない声で光枝に言葉をかけるシーンがあります。それはとても強く印象に残る場面。

「（あのシーンでは）ご迷惑かけてん、大泉さんに。泣きすぎたんや、役を忘れて。たまらんかった。泣かされた、あの男（大泉さん）がすごいから。（鹿野は）ボランティアさんには無茶苦茶言うてるけど、唯一弱音を吐きたくなくて、弱音を吐いてしまう人が母やと思う。母親には一番言えなくて、言ってしまう。親に言えんことは何もない言うけども、ある。ちゃうかな？　その気持ちが届いたから、涙が止まらんかってん。はまってもうた、役に自分が。役者やないで、こんなん。（気持ちが届いて泣くのは）観てる側の仕事やな（笑）」


その「観てる側の仕事」を、綾戸さんや大泉さんらがきっちりさせてくれる。そんな『こんな夜更けにバナナかよ　愛しき実話』をこれからご覧になる方にメッセージをお願いすると……。

「観る人は20代、40代、60代、いろいろでしょ？　知り合いに筋ジストロフィーの人がおる、おらん、映画を何百も観てきた……。いろいろな人が観るから、私一人ぐらいの口からこんな映画です、とは言えない。反対に、皆さんの受け取りようを観たあとにお聞きしたいですね。監督一人で映画は作られへん。観た人も映画の力の一つやねん。そう思って意見をいただけたら。とにかく観に来てほしいですね」