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【病気やケガ】治療方針を決める際、大切にしたい4つのプロセスとは?

2018.11.09

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科学的根拠に基づく医療(EBM)
〜多くの臨床試験で効果が実証された検査・治療の方法を選択する〜


「科学的根拠に基づく医療(Evidence Based Medicine:EBM)」とはきちんと設計された臨床試験で出た結果を診療の場に応用するものです。誰かがいいだした「よさそうな」検査や治療では結果が保証できません。

まして試験管の実験や動物実験で効果があったということでは医療には適用できません。臨床試験というプロセスを経て、さらには数多くの臨床試験の結果の分析によって効果が実証されているものが最もエビデンスレベルが高く、信頼できるとみなされます(下の図のレベル3以上が臨床試験によるものです)。


エビデンスレベル

「Minds診療ガイドライン作成の手引き 2007」などを参考に編集部で作成

ただし、日常で行われる診療行為のすべてについて科学的な根拠があるわけではなく、また、標準的な治療は患者個々の状態や考えに応じてアレンジされるということも覚えておきましょう。

患者と医師の関係の変遷
〜「医師からの説明と患者の同意」から、「双方の話し合い」での意思決定へ〜


1947年
第2次世界大戦中のナチスの非人道的な人体実験の国際軍事裁判の判決文で、医学研究には被験者の自発的な同意が絶対に欠かせないことなどが明記され、これがニュルンベルク倫理綱領として世界の医学研究のガイドラインとなる。

1981年
第34回世界医師会総会でインフォームド・コンセント(IC)は医学研究だけではなく、あらゆる疾患の患者に必要であることを示した「患者の権利に関するリスボン宣言」が採択される。

1990年代
日本でICのさまざま訳語が提案され、議論の結果、ICという言葉がそのまま定着していく。

1990年代
医師と患者の関係についてのモデルをテーマとした論文が多く発表され、その中でシェアード・ディシジョン・メイキング(SDM)の概念が提案される。

1997年
日本の医療法が改正され、医療者の患者への説明が努力義務となる。

2000年代〜
SDMの概念が世界で広く伝えられ、定着していく。

小泉俊三(こいずみ しゅんぞう)さん

小泉俊三(こいずみ しゅんぞう)さん

1971年京都大学医学部卒業、大和高田市立病院内科等に勤務後、75~80年に米国のYoungstown Hospital AssociationやYale大学関連St. Vincent's Medical Centerで外科の研修を受ける。帰国後、天理よろづ相談所病院腹部一般外科で診療、89年から総合診療教育部副部長を兼任。94年佐賀大学医学部附属病院総合診療部教授、2011年から一般財団法人東光会 七条診療所 所長。
取材・文/小島あゆみ イラスト/(c)tokco〈LAIMAN〉

「家庭画報」2018年12月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
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