『30祭』の松尾さん企画によるコンサートのタイトルは「松尾スズキ30周年記念ファミリーコンサート“なんとかここまで起訴されず”」。松尾さん、音楽監督の門司 肇さん率いる生バンド、コーラス隊のほか、豪華シークレットゲストも出演。――過去の松尾作品の劇中歌も披露されるのでしょうか？
「それも入ってくるでしょうね。でも、あまり内容がわかってないほうが面白いんじゃない？ というか、まず、楽しんでくれる人だけ観に来て欲しい(笑)。30周年の記念イベントなんだから、厳しい目では一切観て欲しくないですよ(笑)」
――ほかに、松尾さん初のイラスト原画展や、劇団員が退団した元メンバーに会いに行くドキュメンタリー映像の上映もあるそうですね。
「そうですね。元劇団員を訪ねるドキュメンタリーは伊勢(志摩)さんが出した企画で、宮藤と一緒にやるんじゃないかな。イラストの原画はかなりたくさんあるので、どれを出すとか何点展示するとか、これから決めなきゃと思ってます」
――大人計画といえば、多摩ニュータウンの廃校になった中学校を丸ごと使った、2006年の学園祭さながらのイベント「大人計画フェスティバル」も非常に盛り上がりましたね。
「戦争でしたよ、あれは。1日1万人くらい来場したから、学校中使っても全然捌ききれなくて、やるほうにしたら、死人が出るんじゃないかというくらい大変だった(苦笑)。あの頃まだ20代だった若手の劇団員も、今はもう30代後半ですからね。ああいう悲劇がまた起きないように、今回は劇団員の年齢と体力に応じた祭をやろうと思ってます」
――そういえば、その「大人計画フェスティバル」での松尾さんの企画も「ママさんコーラス」、歌モノでした。
「ああ、あれはやってて楽しかった。基本的に歌が好きなんでしょうね。何をやるにしても、だいたい歌や踊りが入ってきますから。僕は赤塚不二夫さんの漫画で育った人間なんだけど、赤塚さんの漫画って、突然ミュージカルが始まることが多いんですよ。そういうものに慣れ親しんできたから、自分が芝居を作る時もつい何かしら、歌や踊りがあるシーンを入れたくなる。ここで音楽がないと寂しいな、とか思って。でも実際、音楽はすごく重要な要素だと思いますよ」
