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地酒のように楽しめる個性的な「にごりワイン」を生産する滋賀県のワイナリー

2017.09.21

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都道府県のスペシャリテ 「滋賀県」

日本国内で栽培されたぶどうを100%使用して日本国内で醸造する「日本ワイン」。その評価は日々高まりつつあります。その日本ワインの中でも、濾過を一切しない「にごりワイン」の専門メーカーが滋賀県にあります。


ワイナリー店内では販売中のすべてのワインの試飲が可能。

今回取材した「ヒトミワイナリー」は1984年にアパレルメーカーの社長が会長になった際、大のワイン好きだったことから、独自のワイン造りをしたいと思い立ち、自家農園のぶどう畑やワイナリーまで造ってしまったというのが始まり。試験醸造期間を終えて、ワイナリーが正式にオープンしたのは1991年ですから、ぶどうの生産が盛んではない近畿ではずいぶん早いワイン造りのスタートでした。



ワイナリーの周辺に点在するぶどう畑。さまざまな品種が植え分けられているのが特徴。


ワイナリーに隣接する「日登美美術館」。バーナード・リーチの作品は日本一の収蔵数。入館料500円(税込み)。
最大の特徴は、日本のぶどうらしい味を追求した結果、たどり着いた「無濾過」という手法。濁りのもととなる「澱おり」は雑味につながるとして、以前は敬遠されていましたが、自然発酵によるワインの台頭もあり、ワインにその土地特有の複雑味を与えている証として認められていきます。


生産するワインの種類は50種以上になるが、いずれも生産量が少なく、一期一会になる稀少銘柄も。

ヒトミワイナリーでは、2006年からすべてのワインを無濾過で生産。その年に収穫されたぶどうの力を引き出すことを第一に考えた結果、年間生産量10万~13万本に対して、銘柄数は50種以上と個性的なワインが数多く生まれることになりました。それらを全部手で瓶詰めして、出荷しているというのですから、まさに「地酒」の感覚です。


ボトル左:滋賀県で栽培されるぶどうで生まれるワインのシリーズが「身土不二(シンドフニ)」。「シンドフニ今いま荘じょう野の畑ばた」は、琵琶湖の北にある今荘ぶどう園の契約栽培ベリーAを100%使用。ハーブ香とミネラル感、そして酸が特徴の赤ワイン。価格未定。
ボトル右:山形県産のデラウエアを使用した「DeLaSouL2016白」。甘みと酸味のバランスを表現するため、時期をずらして収穫したぶどうを低温で自然発酵してブレンド。2000円。
ワイナリーには、ワインと一緒に楽しめる天然酵母を使ったハード系が中心のパン工房を併設。試飲も可能なので、自然派ワイン好きにはたまらない聖地となっています。焼物で有名な同県の「信しが楽らき」は、「紫香楽」とも書き、奈良時代に都が造営された歴史の地。紫(=ぶどう)の香りを楽しむ地として滋賀が、今あらたな脚光を浴びているのです。


併設しているパン工房で焼き上げた田舎パンも人気。



代表銘柄の「h3シリーズ」は、自然で素朴な泡が特徴の田舎式微発泡ワイン。発酵によって瓶底に沈殿する酵母や酒石酸を除去せずに、そのまま瓶内に残しているので、濁りがあるのが特徴。「h3カリブー2016」1700円。

●ヒトミワイナリー
滋賀県東近江市山上町2083
TEL:0120-80-4239
営業時間:10時~18時
無休(年末年始を除く)
URL:http://www.nigoriwine.jp
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