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現代人は減っている。疲れを癒し、心を整える「幸せホルモン」の増やし方

2018.09.28

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オキシトシンは愛を養う最強の脳内ホルモン




セロトニンの働きと同調して心を癒やし、真の幸福感を生み出す物質がオキシトシンです。オキシトシンは脳内では「神経伝達物質」として働き、血液中に入るとホルモンとなって体にも効くという特徴を持っています。

赤ちゃんが乳首を吸うとそれが誘因となり、母親の脳からオキシトシンが分泌され、母乳の分泌を促す働きがあることから、以前は女性特有の母性愛のもとになる物質といわれていました。しかし近年、性別、年齢を問わず、誰でも分泌することがわかったのです。


オキシトシンは子宮を収縮させ、陣痛を促進させるなどの身体面の効果のほか、人との触れ合いによって信頼感を高めたり、男女間の愛情を深めるなど、心を豊かに保つ役割も担っています。

最近になって、ストレス中枢を抑制し、日常生活のなかで蓄積されたストレスを、上手に洗い流してくれる働きがあることも明らかになりました。

欲しい物が手に入って幸せ!というドーパミン的な幸福感ではなく、人々の間に生まれる心の絆、信頼感などによる真の幸福感がオキシトシンによって得られ、それにつられてセロトニンの効果も増幅され、心と体の機能が安定し自然治癒力も高まります。

オキシトシンは自然界の生き物たちすべての命を愛しむ心をつくる物質として、脳科学のほか社会学的にも注目されています。

しかし残念ながら、現代人はオキシトシンの分泌量が少なくなる環境下にいます。ネット社会が進展し、直接会話をするより、パソコンや携帯電話を通したやりとりが日常化しています。

それではオキシトシンはほとんど分泌されず、癒やしは得られません。オキシトシンの分泌に不可欠な、人を信頼し、見返りを求めずに人のために役立ちたいという気持ちは、持てないでしょう。

社会で起こる数々の不幸な問題の背景には、人々の脳からオキシトシンの分泌量が減少してきた環境があるように思えてなりません。

よく講演などで話をするのですが、思いやりを持って親切な行いをすると、私たちはとても幸せな気分になるものです。誰でもそういう脳を持っていて、それがまさにセロトニンやオキシトシンの活性化につながっていきます。

Information

セロトニンDojo

東京都台東区上野4-2-1 江戸っ子ビル6階

  • Fax:03(6674)1812

有田秀穂(ありた・ひでほ)先生

有田秀穂先生

東京大学医学部卒業。東海大学医学部で臨床に携わり、筑波大学基礎医学系で呼吸の脳生理学を研究。2013年より現職。
うつなどの精神的な悩みを抱える人に、セロトニン活性のための革新的なトレーニング法を指導、患者本位の診療を行う。
著書に『「脳の疲れ」がとれる生活術』(PHP研究所)、『50歳から脳を整える』(成美堂出版)、『自律神経をリセットする太陽の浴び方』(山と溪谷社)など多数。
取材・文/宇津木理恵子 撮影/八田政玄 写真/PIXTA

「家庭画報」2018年10月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
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