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専門家が分かりやすく説明する「ジュエリーの歴史(近代~現代)」

2017.08.10

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1800年代前半のジュエリーの特徴


といっても、いきなり今と同じようなジュエリー市場ができた訳ではありません。この時代、まだ電気はありませんから、夜になれば真っ暗。夜のショッピングなどと言うロマンチックなものはありません。お店の作りも違います。

宝石店に行っても、店内に商品はほとんど並んでいません。サンプルが少し、素材としての宝石が少し、あとはデザインブックを抱えたオヤジが店番をしています。客が来るとオヤジは注文や希望を聞いて、デザインブックを参考に、客が望むものを作る、それが近代の初め頃の宝石店だったのです。

店を訪れる客は男性のみだった


しかも、客のほとんどは男性で、使い手の女性が店に来ることはまれでした。当時はジュエリーに限らず、家庭に入った女性が外に買い物に出かけることはなく、出かけるときは必ずご主人かエスコート役の男性が一緒でした。


ジュエリーの歴史。イギリスの宝石店STREETER & Co. Ltd.が1900年頃に出版した商品カタログイギリスの宝石店STREETER & Co. Ltd.が1900年頃に出版した商品カタログ(復刻)。本には実寸サイズでデザインが描かれ、下部に素材と値段が明記されている。Streeter, Edwin W. GEMS.(柏書店松原/2003年出版)

ジュエリーは男性が選び、男性が作り、男性が買うもの


1800年頃から1930年くらいまでに作られたジュエリーを今では「アンティーク・ジュエリー」と呼んでいますが、その頃のジュエリーは見方によっては非常に男性的であるといえますね。また、一種の注文生産制ですから、まったく同じものというのもありません。これも、当時のジュエリーの特徴でしょう。

ほとんどのジュエリーは英国製


それともう一つ、この時代のジュエリーの特徴は、ほとんどが英国で作られたものだということです。今でもアンティークを買おうとすれば、市場の95%は英国ロンドンです。新しい社会階層の誕生と、彼らによる消費需要を生み出した産業革命は、他の国々、フランス、ドイツ、イタリアなどでは、英国から百年近く遅れていましたから。買い手のいない所、お金のない所にジュエリーはないということです。 

ジュエリー大衆化を進めた近代ジュエリー


さて、こうして大衆化の第一歩を踏み出したジュエリーは、それまでのものと何が違うのでしょうか。大きな違いは2つ。一つは、ジュエリーの大きさが現代と同じように、普通の人が着用できる程度に小さくなったこと。それまでの王侯貴族は、「働かない」もしくは「働くという下品な行為をしなくとも食べていける」ということを示すために、異常なまでに大きなジュエリーを身につけていました。

もう一つは、多彩なバリエーションが生まれたことです。世界との交易が増えるに従って様々な文化が英国に流入し、それがジュエリーにも影響を及ぼしました。海外からの珍しい素材やデザインを用いたもの、人間としての感情がこもったもの、葬儀のためにつけるもの、今では消えた技術で作ったものなど、その多様性は、今日のジュエリーをはるかに凌ぐものでした。その幾つかは、この連載でも紹介していきます。
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