エンターテインメント

自らご褒美のような映画と評する、『きみの鳥はうたえる』主演の柄本 佑さん

2018.08.24

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現場では、ある種、躁状態のカオスになっていたという柄本さん。“俺ら3人、よく怒られないよねっていうくらい、現場では真剣にふざけてました”

――映画のどのシーンでも、“僕”と静雄と佐知子の表情がすごくよくて。3人は阿吽の呼吸で演じていましたよね。


阿吽の呼吸ということなら、全スタッフが通じていたと思います。今回の撮影は1日平均3シーン、多くても5シーンというスケジュールでした。そのくらいゆったり撮っていると、ひとつのシーンのなかで何かが起きる瞬間を、カメラが回り始めてからも粘り強く待つことや、足りないものや過剰なものを検証するゆとりがあるんです。もともと映画ってそういうふうに待ってくれるものなんですけど、そんな映画の原点を感じられたのは嬉しかったし、役者にとって、こんなに完璧にお膳立てしてもらえる贅沢な現場はそうないので、自分の持てるものはすべて差し出しました。

――表情だけでなく、3人の声のトーンや話し方にも、引き込まれました。


演じるとき真っ先にやることが、声を探す作業なんですけど、今回は撮影に入る前に数日間、リハーサルする時間があって。そこで声やトーンが決まっていった感じです。監督にとっても“僕”を探す時間だったのではないかと思うし、僕にとってもあのリハーサル時間があったことはすごくよかったです。

――オール函館ロケだったそうですが、函館はいかがでしたか。


函館、大好きです! 撮影に入る前に函館八幡宮でお祓いをして、そこもとてもいい神社なんですけど、その背後にある函館山が本当によくて。撮休が2日あって、2日とも山に登って、谷地頭温泉に入っていました。あんまり気持ちがよくて、じゃあセリフを読もうかなと思っているうちに、気づいたらベンチで寝ちゃって、掃除のおじさんに起こされるみたいな……。後から三宅さんに「“僕”ってそういう奴だよな」、って言われて、たしかにそうかもと思いました。

――静雄は“僕”のことを、不思議な明るさがある、裏表がない奴といい、佐知子は“僕”の態度にどこか不安を感じている。“僕”の印象は人によってだいぶ変わります。


“僕”は特徴がないというか、何を考えているかわからないといえばわからないし、ぼーっとしているだけといわれれば、たしかにぼーっとしている。ただ嘘はつかないし、たとえ他人から誠実じゃないといわれても自分なりの誠実を生きている。ふざけるときも真剣にふざけるという、その真剣さを失わずに演じようとは思いました。
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