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医者の説明がちんぷんかんぷん、そのとき患者がすべきこと

2018.08.17

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お医者さまの取扱説明書 総合内科医の尾藤誠司先生に、患者と医師の良好コミュニケーション術を教わります。記事一覧はこちら>>
インフォームド・コンセントは、患者が“受けるもの”ではなく、患者が“行うもの”だとご存じでしたか?

実は医師も患者も、その目的と方法を正しく理解し実践している人は少ないといいます。 患者にとってベストな医療を選択するために、正しいインフォームド・コンセントの行い方を伺います。

尾藤誠司先生


尾藤誠司先生
独立行政法人国立病院機構 東京医療センター 臨床研修科医長・臨床疫学研究室長

インフォームド・コンセントの主体は、あくまでも患者


インフォームド・コンセントは一般に「説明と同意」と訳されますが、その意味が正しく理解されていることは少ない、と尾藤誠司先生はいいます。

「医師は説明することだと思っているし、患者さんは説明を聞くことだと思っている――。それはプロセスのごく一部にすぎません。その目的は患者さんがベストな医療を受けるための意思決定を行うことであり、大事なポイントが2つあります。主体が患者さんであることと、そこに“対話”が必要なことです」

何がベストか――。医師と患者の価値観が一致しないケースは多々あります。医師は、死なない、長生きをする、検査数値が改善するなどを最善と考え、達成する確率の高い治療法が何であるかを知っています。

しかし患者は必ずしもそれらを最優先するわけではなく、家族や仕事や趣味など人生の中の優先順位は人それぞれ。そこで、両者が対話をして互いの価値観を照らし合わせ、患者が自分にとってベストの医療を選択していくことがインフォームド・コンセントの趣旨なのです。

「患者さんは、インフォームド・コンセントを主体的に“行う”という意識を持つことが大事です。そして医療者の役割は、患者さんがベストな選択をするために有益な判断材料となる医学的情報を提供することです」
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