《 聖子の突撃インタビュー @ASIACO 》
――ご出身はどちらですか？
「チベットです」
――いつお店を開いたのですか？「1996年だから、もう22年も前だね」
――なぜこのお店をオープンさせようと思ったのですか？「元々は岡山の天満屋に勤めていたんだよ。そのときに、日本の文化や服飾を学んでね、そして事情がありウィーンへ引っ越した後、今度は自分でビジネスをやってみることにしたんだ」
――こちらのお客様はアジアの方が多い？それとも現地のオーストリアの方が多い？「圧倒的に地元の方が多いよ。99％が地元のヨーロッパ系の方だよ」
――地元っ子に人気の商品は？「浴衣！絹よりコットンの方が断然売れるよ。だけど、日本人の女の子が好きそうな可愛らしくてカラフルなデザインは全然売れないね。こっちでは、真っ黒、濃紺、チャコールグレーのような落ち着いた色、男性の浴衣のような渋いデザインのものばかり売れるよ。あとは、妻がデザイナーを務める自社ブランドのオリジナル商品も人気だね」
なるほど……聞けば聞くほど面白い。ついつい時間を忘れ、このご主人と話し込んでしまいました。
そして、お店のコレクションも見せていただき、ウキウキ試着タイム。
あれもこれも欲しくなってしまうものの、現在持ち運んでいる荷物の量を考えると、とてもじゃないけれどこれ以上きものは増やせない……と、こちらの事情をお話しすると、なんとご主人が「じゃあ、特別にレンタルさせてあげるよ。」と言ってくれました！
「やったー！久々に違うコーディネートが楽しめる！」と喜ぶ私。「では、万が一汚してしまったときは買い取りますね、念のため私の滞在先の住所、運転免許証のコピーを取ってください！」と伝えると、「そんなものは何もいらないよ～、大丈夫、大丈夫！」と言われてしまいました。
おそらく、日本人の生真面目な国民性をよく理解しているからなのか、私のきものへの愛が伝わったのか？（笑） 出会ったばかりの私のことを信頼し、破格の値段でお借りすることができたのでした。
お借りしたきものがこちら。淡いピンクに、上品に孔雀が描かれた小紋です。密やかに刺繍が施されているところに、グッと来ました。
孔雀に合わせ、ラスベガスに在住のつまみ細工作家の友人とコラボレーションで作った羽根デザインのイヤクリップを耳元に。
この装いで、
オーストリア国立図書館や、スペイン乗馬学校、ウィーン国立歌劇場など、観光のハイライトともいえる名所の数々を満喫したのでした。
やっぱり、新しいきものでお出かけするって、とっても楽しいですね！
皆さまもウィーンに行かれる機会がございましたら、ぜひこのASIACOさんを訪れてみてくださいね。優しいご主人から、きっと面白いお話が聞けるはずですよ。
＜本日のオマケの一枚＞
お店に向かう途中で見かけた素敵な信号機。歩く人のサインが女性同士のカップルだったり、男性同士のカップルだったり。愛の形は多種多様！こういうセンス、大好きです。
