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大原千鶴の心に残るレシピ「賀茂なすのえびあんかけ」

2018.07.17

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私の心に残る味 8月

賀茂なすのえびあんかけ

懇意の八百屋さんを通じて上賀茂から届いたばかりの賀茂なす。えびの甘さとだしたっぷりのあんがからんで優しいおいしさです。詳しいレシピは次ページ>>

賀茂なすのえびあんかけ


料理・文/大原千鶴


小さい頃から茄子が好きでした。

夏の朝、実家の美山荘でお客様にお出ししていた朝ごはんの茄子。油でじっくり焼き付けて砂糖と醬油で甘辛く煮たものですが、これが大好物だった私は、煮くずれがまかないに回ってくるのをいつも心待ちにしていました。この料理は単純な料理だけれど、茄子の性質を知らないとうまく炊けない不思議な料理なのです。

茄子はゴールデンウィークが明けた頃に苗を植えて育て始め、早ければ5月末頃に初収穫。そして伸びる芽を搔き、枝を払い、肥料を足しながら上手に花を咲かせ実を太らせます。様子を見ながら世話をし、うまくいけば10月の声を聞く頃まで収穫が可能な作物です。

当然、出始めと終いの茄子は違います。出始めはまだ爽やかな季節、雨もたっぷりで、水分が多く皮も柔らかくふんわり、姿は少しほっそり。盛夏になれば、ぎらつく太陽を受け、皮が張ってぐんぐん大きくなります。日差しが少し傾きかけてくる初秋になれば生長穏やかになる分、実がしまって味が濃厚に。その様子はまるで人生のようです。

青春真っ盛りの青年茄子は水気が多く柔らかいので、手荒く扱うとすぐ煮くずれます。そう、青年は傷つきやすいのです。盛夏の茄子はちょっぴり中年太り。どうやって食べても美味しいししっかりしていますが、物によっては内臓脂肪?が増え、種が見えてきたり、ちょっと皮が硬くなるので皮をむいてやったりという、多少のメンテナンスも必要になってきます。

そして名残の茄子は水分が少なくなり、ちょっとしぼんだ感じだけれど、アクも少なく人生を習得した濃厚な旨味が持ち味となるのです。見た目は少し元気がないけれどなかなか味わい深いものなので、皮を全部むいて中身だけをいただくのもまた良いかと。年老いた茄子には若者にはない十分な魅力があるのですから。

そんな茄子の人生に想いをはせつつ、単純な茄子の煮物を作るとうまくいくのは本当に不思議です。料理とはそういうものだということを畑から学んだ気がします。
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