母のタンス、娘のセンス

女優・一色采子の「母のタンス、娘のセンス」〜文月

2018.07.04

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百合の帯でぐっと甘く、私らしく

一色采子のきもの連載


母が元気だった頃の屋形船での楽しそうな一コマ。

一色采子のきもの連載

母のタンスの中でもお気に入りの一枚が、きっぱりとした鱗模様が織り出された紗のきものです。母のスナップを見ると、博多紗献上に自分の干支である兎の帯留めが愛らしさを添えています。シックな色合いに、赤の利かせ方が絶妙で、私が小さく赤を使いたくなるのは、どうやら母譲りのようです(笑)。

一色采子のきもの連載

このきものには、母のように白地の帯ですっきりとまとめるのが王道のお洒落なのだと思いながらも、私はあえて薄ピンクの娘時代の帯を合わせてみました。これは、私が10代の頃に母が買ってくれた初めての夏帯です。こうして、時代や世代を越えて、思い出とともに着続けられるのが、きものの醍醐味でもあります。
一色采子のきもの連載
エメラルドグリーンやコーランオレンジ、そして銀糸で百合を表現した贅沢な一本。帯揚げは帯になじませるように、帯締めは白に赤い縫いを利かせたもので大人の可憐さをプラス。


一色采子のきもの連載

一色采子のきもの連載石楠花(シャクナゲ)の絽の小紋に百合の帯を合わせた、私の初めての夏きものの一揃い。

一色采子のきもの連載貴賓室の坪庭で、父と母をよく知る女将の鈴木美砂子さんと。在りし日の両親の思い出話に花が咲きました。

撮影の舞台となったのは、二本松市が誇る岳温泉の老舗旅館「陽日の郷あづま館(ゆいのさと あづまかん)」。父と母は二本松を訪れると、この旅館の貴賓室に泊めさせていただいていました。大震災を機に、ロビーなどはリニューアルされましたが、貴賓室は当時のまま。母のきものを纏って部屋に佇むと、このソファーに父が、こちらに母が座っていたなぁ……など、次々と蘇る思い出に包まれ、とっても幸せなひとときでした。

【今回、一色采子さんが訪れた旅のスポット】
安達ヶ原ふるさと村
福島県二本松市安達ヶ原4-100
TEL:0243-22-7474
http://www.michinoeki-adachi.jp/furusato/

大七酒造
福島県二本松市竹田1-66
TEL:0243-23-0007
http://www.daishichi.com

陽日の郷あづま館(ゆいのさと あづまかん)
福島県二本松市岳温泉1-5
TEL:0243-24-2211
http://www.azumakan.com

 

一色采子/Saiko Isshiki

女優
日本画家の故・大山忠作氏の長女として東京都に生まれる。毎日をきもので暮らしたお母様のもとで、コーディネートや着こなしのセンスを磨き、現在はファッションのアイテムを取り入れながら独自のスタイルを楽しむ。趣味の日本舞踊や三味線、長唄では名取になるほど、古典芸能への造詣も深い。現在は、福島県にある二本松市大山忠作美術館の名誉館長や二本松市の観光大使も務める。
撮影/岡積千可 へアメイク・着付け/林さやか 構成・取材・文/樺澤貴子
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