女優・一色采子の「母のタンス、娘のセンス」〜水無月

薩摩絣に帆船の帯を合わせ旅情感を漂わせて

麻地に帆船を絞りで描き出したスタイリッシュな帯。

「木綿のダイヤモンド」「綿の至宝」とまで謳われる薩摩絣。実際に羽織って見ると、絹のようなよそ行き感ではなく、木綿特有のふわっとした柔らかさで優しく包まれる着心地です。凛とした藍のきものに、同系色の帆船の帯を合わせてすっきりと。きものも帯も母のタンスのアイテムですが、ワントーンに組み合わせることでモダンな印象に仕上がりました。小さく効かせたネイルの赤や、籠バッグで大人のマリンルックで出かけた先は、安永5年創業という歴史を誇る国田屋醸造さん。




弁柄格子（べんがらごうし）の風情ある店構えは、街のシンボル。



木綿のカジュアル感に合わせて、足元は船底の下駄でチャッキリと。鼻緒のグリーンが控えめながらも、藍のきものに美しく生えます。

弁柄格子の店舗の裏手には、オーナーの大松佳子さんが自家製の味噌や醤油を使った料理を振る舞う「蔵カフェ 千の花」があります。郷土料理の「ざくざく」というお汁をはじめ、甘酒をトッピングした冷やしトマトや、醤油のみをドレッシングにアレンジした和え物など、丁寧に作られた惣菜が味わえます。私が二本松に行った際には、必ず立ち寄るほどのお気に入りです。



蔵の梁をそのままいかした内装も素敵な「蔵カフェ 千の花」。店内には押し花アートを手がけるオーナーの作品も飾られています。



大の仲良し、オーナーの大松佳子さん。